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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第五章 目覚め編
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83話 『さあ、楽しみましょう』③

 どうにか柚葉の同意を取り付け、エレナを連れた悠は呼ばれた通り校庭へと向かう。

 校庭の中央では地面に記号をいくつも組み合わせた、魔法陣のようなものを書いていた。

「それで、どなたが向かうのか意見はまとまったのですか?」

「うん。僕とエレナちゃんが行くことにしたよ」

「それと、もう一方」

 作業を中断した彼女は、隣に立つ少女を指す。

「その、私も」

「危険だからここで待っていた方が」

「申し訳ありませんがその辺の話はすでに済ませているので、ご理解ください」

「おひながそういうなら……。それより移動はどうするの」

「それもこちらで用意があるので、しばらくお待ちください」

「さっきから地面に書いてるそれが関係あるの?」

「ええ。時間通りであれば、そろそろ来るはずです」

 悠さんの指さす先では、先ほどから書いていたものが完成したのか陣は淡い光を放っていた。

 しばらくの間それを眺めていると、突然輝きは増し陣の中央に一本の木の枝が現れる。

「それでは、皆さまこの上にお願いいたします」

 西城さんはそれを手に取り、欠損がないことを確認したのち私たちをその上へと移動するように促す。

「では、まいりましょう」

 そう言って西城さんが手を叩くと、次の瞬間私たちは見知らぬ土地に立っていた。

 周りは開けていて、いくつかの建物が点々と建っているだけだった。

 あらかじめその場に居たであろう人が離れた建物を指して言う。

「監禁されているのはあちらの建物です」

「そうですか。ご苦労様です」

「それで、おひなたちはどうするの?」

「私は事後処理の準備を行うためお二人と共にこのあたりに居ますわ。エレナ様もいらっしゃいますし、私も中の様子を確認していますので、どうかご安心を」

「はいはい、わかってるって」

「では、よろしくお願いいたします」

 西城は家の人達と話をしながらその場にいくつか荷物を広げる。

「さてと、それじゃお願い出来る?」

「はい」

 悠さんに言われ、私はギフトを使い建物の中を見る。

 中は多少入り組んでいるものの、学校と比べると中の仕組みはシンプルでわかりやすかった。

 とはいえ離れた距離で時間をかけないようにすると色のない情報しか取れず、見落としなく確認するのに苦戦する。

 三階建てで各階に十近くの部屋があり、しらみつぶしに確認しているとその中の一つで人が地面に横たわっているのを見つける。

「いました、三階です。周りには……一人だけです」

「建物内に他に人は?」

「一階で四人が固まって……何かを飲んでいます。でも、あの人たち不思議な感じがします」

「不思議ってどんな」

「…………ごめんなさい、詳しくはわからないです」

「いや、中にいる人数がわかれば十分だよ」

 軽く準備運動をした悠は、足取り軽く建物の方へと向かっていく。

 本来なら監禁されているという三階の部屋へと真っ先に向かいたいが、できる限り相手の戦力は削りたいという理由で先に一階にいる四人の方を第一目標と定めた。

「この扉の先で良いんだよね」

「はい。今のところその人達に大きな動きはありません」

「それじゃあ、始めよっか」

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