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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第四章 学園祭編
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68話 いざ学園祭③

「さあ、お待たせしました! 紫陽学園学園祭名物、特別推薦の二次試験が間もなく始まります。見逃し厳禁、今すぐスタジアムへと向かいましょう!」

 13時を前に、特別推薦の告知をする放送が行われるが、それに関係なくすでにスタジアムは満席になりかけていた。

「すごい人ですね」

 グラウンドへと続く通路は沢山の人があわただしくしていた。

 受験生は控室で手順の確認をしたり、精神統一をしたり、様々だった。

「それだけ注目されてるんだよ」

「ちょっと、変にプレッシャーかけないでよ」

 みやさんと二人、そんなことを話していると隅にうずくまる会長がうめき声をあげる。

「大丈夫ですって、始まっちゃえばあとは楽ですから」

「それは、みやはでしょ?」

「学校の代表としてあの場に立つなんて名誉なことじゃないですか」

「うぅ、分かってるって」

「あの、そこまでにしてあげた方が……」

 というか、なんでみやさんはウキウキで会長を煽ってるんだろうか。

 直接顔は見えなくても、お面の下が笑顔なのは声だけでもわかる。

「生徒会長、お時間です」

「わかった……」

「あの、大丈夫ですか?」

「うん。ありがとうね」

 特別推薦の内容は模擬戦、パフォーマンス、即興課題から自身の得意なものを選ぶ形式だった。

 あれだけ緊張していたのにも関わらず、会長は摸擬戦を難なくこなしていった。

 パフォーマンスは神秘的なものから派手なものまで色鮮やかだった。

 即興課題はその場で与えられた課題に解決法を探したり、討論をしたりと人によって内容も異なっていた。

 そして、その時はあっという間に訪れた。

「さあ、早くも今年の特別推薦は最後の受験者を残すのみとなりました」

「受験者戸田茜、種目は模擬戦。なお、本試験は受験者の要望を生徒会長と学校が許可し、真剣、実弾での実施となります」

「前は負けたけど、今日は絶対に負けない」

「そりゃ今日のステージは茜に向いてるからね」

「じゃあ勝ちを譲ってくれる?」

「まさか、全力で勝ちに行くよ。怪我しても怒らないでよね」

「望むところ」

 グラウンド中央、二人は振り返ると一歩一歩、スタート位置に向かって歩いていく。

 2人が位置に着くと、司会者がスタートの合図をする。

「それでは、始め!」

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