66話 いざ学園祭①
「それでは最終課題を発表します」
ついに来た学園祭一日目。
30分後の会場に向け、学校中が騒がしくしていた。
そんな中、詩乃さんに空き教室に呼び出されて最初に言われたのがその言葉だった。
「最終課題って何ですか」
「そのままだよ。一応ここを目標にやってきたんだし、こーゆーのも必要だと思うんだよ、私は」
「そうですか。それで、何をするんですか?」
「まぁそんなに気張らなくても大丈夫、簡単なゲームみたいなものだから」
「詩乃さんの場合、そういうのが一番心配です」
「おっ、わかってきたじゃん」
なぜだかわからないが、詩乃さんは自身ありげにする。
「学園祭が始まる10時に合わせて学校の敷地内に10個のボールを隠すから、学園祭の一日目が終わるまでに全部見つけてくるだけ、簡単でしょ?」
確かにそれだけ聞けば簡単そうだが、きっとそうはいかないのだろう。
「ただ、目視で確認出来ないところにあるから、後はわかるね?」
「人込みの中ギフトを使って探す、ですよね?」
「うんうん、理解が早くて助かるよ」
簡単に言ってるが、これまでの一週間準備中に並行してギフトを使っていたが、想像以上に体への負担が大きく、人込みの中で安定して使える確証はまだ得られてない。
人の量にもよるが、続けて使えるのは30分も無いだろう。
それに詩乃さんのことだし、簡単に見つかるところには隠していなさそうだ。
「それで、見つけたボールはどうすれば良いんですか?」
「ボールには文字とかイラストが描いてあるから、それを伝えてくれればいいよ」
「皆さん大変お待たせしました。ただいまより第148回紫陽学園学園祭の開会式を始めます」
メインステージのおかれた校庭には多くの生徒が詰めかけていた。
他にも、各自の教室に流れる放送を聞いてるものや、窓から身を乗り出してメインステージの様子を見るものなど、みな思い思いの方法でその時を待ちわびていた。
「えーっと、あんまり長いとみんな怒っちゃうと思うので、実行委員長から短めのあいさつです」
「そういうフリが一番困るのですが……」
ステージ上、マイクを持ち進行をする二人組からマイクを受け取ると、苦言を呈しながら西城はステージ中央へと向かう。
「本来は色々と話したいことがあったのですが、長話を出来る雰囲気でもありませんし、一言だけにしておきましょうか。紫陽の学生としての意識を忘れず、周りの方々に迷惑をかけない程度に羽目を外して、目一杯楽しんでください」
「はい、ありがたい三言でした」
「あの、いちいち揚げ足をとらないでいただけます?」
口ではそう言いながらも彼女らがそういう性格なのは理解しているのか、西城はそれ以上言うことは無かった。
「続いて生徒会長の戸田さんお願いします」
柚葉は西城からマイクを受け取ると。
「皆さん各々思うものがある状態で今日を迎えたと思います。すでに知っている人も多いと思いますが、私はとにかく胃が痛いです。安全第一で、見に来てくださった方々が楽しかったと言って帰路に就く、そういう学園祭にしましょう」
「はい、ありがとうございました。なんで胃が痛いの? って思った方はぜひ13時からの特別推薦をお楽しみに。面白いものが見れること間違いなしです」
「では、ただいまを持って開会式を終了します。皆さん大いに盛り上がりましょう」




