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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第三章 覚醒編
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58話 ある種の実験

「とまぁ、あーにゃんの話を聞いてきた訳だけど、ぶっちゃけコレなんの意味もにゃいんよね」

「そうなんですか?」

「そもそもエレにゃんの状況が特殊すぎるからにゃ~。ちょっとやそっとじゃ気が付かないくらい精巧に人間を模して造られた人工生命体がなぜかギフトを持っている。前例なんてある訳ないし、どうしたもんかにゃ~。どっちにしろ一回見てみないとわからないからにゃ~ちょっとエレにゃん借りるね~」

 そう言って詩乃が手を叩くと、詩乃とエレナは一瞬のうちに校舎の屋上へと移動する。

「ここは、屋上? でもなんで」

「ん? 私の力だよ~。それより、もう力は使える?」

「たぶん、まだ……」

「まぁそーだよね。今回ばかりは他に方法もないし……。まるちゃ~ん、出ておいで~」

 詩乃さんが呼びかけるとどこからともなく紙人形が舞い落ち、床に触れるとそこには一人の人間が立っていた。

 白い袴を着ていて、顔には不思議な模様の書かれた紙を付けていた。

「御呼びでしょうか」

「ちょっと本気を使うから、いつものお願い」

「……かしこまりました」

 まるは不服そうにしばらくぶつぶつと呟いていると、三人の周りを囲むように紙人形が円形に広がる。

「……言われた通りしましたが、わざわざ目に付きやすい屋上に移動する必要はあるのでしょうか?」

「まぁまぁ、これもある種の実験だと思って。それじゃ始めよっか」

「始めるって何をするんですか?」

「何って、エレにゃんの体を治すんだよ? じゃないと力使ってるとこ見れないし」

 そう言った詩乃はまるに抱え上げられ、エレナのの額に手を伸ばす。

「全身の力を抜いてね」

 その言葉を皮切りに、体に何かが流れ込んでくるのを感じる。

 全身がポカポカ温まり頭がボーっとして、気を抜けばそのまま寝てしまいそうなほど心地よかった。

「どう、痛くない?」

「はい。とても暖かくて気持ちいです……」

「にゃはは、それは良かった。もうすぐ終わるからね」


「それじゃ、始めよっか」

「はい。よろしくお願いします」

「それで、どれくらい制御出来るの?」

「たぶん全くできないと思います。あの時は意識を保つので精一杯だったので」

「んじゃ、取り合えず範囲は半径1メートルを維持してみて」

 促されるままギフトを使うと前回以上にに体への負担は少なく、軽い頭痛でとどまっていた。

 言われて通り範囲を抑えようとするが、意識に反して広がろうとして、堺は不安定な状態になっていた。

「うーん、狭くても安定しないか……。今の体の状態は?」

「ちょっと頭が痛いくらいです」

「じゃあ、今度は範囲を抑えるのをやめて最大まで広げてみて」

「いや、でもそしたらまた体が動かせなくなるんじゃ……」

「今後のことを考えるなら限界を知ってた方がいいでしょ?」

「ですけど……」

「大丈夫だって、何かあればまた治せばいいだけだから」

「……わかりました」

 しぶしぶ了解し、ギフトにかけていた抑えようという意識を取り払う。

 すると、範囲はあの時以上のスピードで広がっていき、あっという間に学校の敷地を超えていった。

 となれば当然。

「うぅ……。頭痛いし耳鳴りがひどいです」

「にゃはは~、でももう少し頑張ろっか」

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