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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第三章 覚醒編
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55話 ということで

「ということで、ステラ・ヴァレンタインに会いに行ってきた結果」

「ギフトが覚醒したと」

「……はい」

「ついでに全身にとんでもない負荷がかかって、しばらくはろくに動けないと」

「……その通りです」

 翌日、目が覚めるととっくに正午を過ぎていた。

 起き上がろうとしても体は全く言うことを聞かず、腕をわずかに上げるだけで精一杯だった。

 今日は先日の件も含めて情報の整理をしようとみんなで集まることになっていたが、私は一人では動けないので車椅子での参加になった。

 そして、生徒会室でのさっきの話に戻る。

 地面にきれいに正座をする悠さんの前で会長が仁王立ちしている。

「あの、そこまで怒らなくても。そもそも決めたのは私ですし、その場に悠さんはいなかったわけですから」

「エレナもエレナだよ。体の方も心配だったのに無茶しないで」

「……ごめんなさい」

「はぁ、もう終わったことは良いけど。でも今後は……」

「にゃはは、面白いことやってるね」

 会長の話を遮るようにして、部屋に聞きなれない声が響く。

 声の主を探すと、ソファーで横になりくつろぐ黒猫を一匹見つける。

「詩乃先輩、来るの遅いです」

「ちょっと、お客様にそれはにゃいでしょ」

 柚葉の問いかけに、詩乃は不服そうに答える。

「猫がしゃべった?!」

「おぉ! エレにゃんおはよ~」

「え?」

 今までも記憶をあさってみるが、この猫と会ったことは無かった。

 少なくとも詩乃と呼ばれる人と話をしたことは無かったはずだ。

「そっか、エレナは初めてだっけ。この人は詩乃先輩。私たちの二つ上で、こんなんだけど一応すごい人です、でいいですか?」

「ちょっと、こんなんって言い方にゃんなの? もしかして猫嫌いだった?」

「詩乃先輩のせいでちょっと嫌いになりそうです」

「おぉ、こわっ」

 柚葉に睨まれ詩乃はわざとらしく身震いし、椅子の下に隠れて丸くなる。

「そういえば、キツネのお面付けた子いにゃいの?」

「みやの事ですか? さっき急用が入ったとかで出ていきましたけど、用があるなら呼びますか?」

「いや、そこまでしにゃいでも良いよ。ちょっと気になっただけだし。それじゃあ、どこから話そうか」

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