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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第三章 覚醒編
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53話 今できること

「てことでここまで来たけど」

「どうしましょうか」

 中央区セントラルタワーの入り口にある受付。

 当たり前だが、時間が時間なので人はいない。

「えっと、これ勝手に入っちゃダメですよね」

「いや、勝手に行っても大丈夫だったきがするよ。学生証だけだと20階までになっちゃうけど」

「そうなんですか?」

「あれ、ゆずに聞かなかった? ここは所属によって行ける階層が決まってるんだよ。一般の人は手続きの出来る3階まで、学生は資料の保管されている20階まで。あとは必要に応じて追加で権限が付与される感じ」

「初耳ですね」

「まぁ、基本来ようと思わなきゃ来ない場所だしね」

「それじゃあ、何階に行けばいいんでしょう」

「たぶん上の方な気がするけど、方法がなぁ……」

「とりあえず行ける中で一番上の20階まで行ってみますか?」

「そうだね。何かあるかもしれないし」

 そう言って二人でエレベーターに乗り込みボタンを押そうとすると、そこには1階から3階までのボタンしかなくて、良く周りを見ると一部だけ四角く色が違うところがあった。

 そこへ学生証をかざすと4階から20階までのボタンが現れる。

「なるほど、そういう仕組みなんですね」

「じゃあって……、あれ?」

 悠がボタンを押そうと手を伸ばすと、ふと少し外れた位置にボタンがあるのを見つける。

「これって」

「なんですかね」

「数字が書いてないけど、何階なんだろう」

 悠は用心深くそのボタンに触れようと手を伸ばすと、触れたかどうかのタイミングでエレベーターの中がまばゆい光に包まれる。

 光が晴れた時、エレナの前には一つの扉があった。

「これは……」

 恐る恐る扉を開けると、そこには広い部屋があり、1人の女性が飲み物を片手に街の様子を見てくつろいでいた。

「本来であれば私たちの出会いはもう少し後のはずでしたが。やはり、物事というのは予定通りには行かないものなのですね」

「あなたがステラ・ヴァレンタインさんですか」

「ええ」

 そういうと女性はグラスを置き、こちらへと振り返ると丁寧に礼をする。

「お初にお目に掛かります、エレナ様。連邦生徒会会長ステラ・ヴァレンタイン、以後お見知りおきを」


「世界の終わり……。そうですか。もうすでにあの方とはお会いになられて」

「でも、どうすれば良いのかわからなくて」

 私の見た夢の話をすると、ステラさんは顎に手をつき考え込む。

「申し訳ありませんが、今の私ではご期待にお応えることはできません」

「そんな」

「そうですね、少なくとも世界に干渉できる力。あるいは管理者になれれば可能性は見えてきますが」

「管理者?」

「いえ、このことは後日時間があるときにでもゆっくりお話しいたしましょう。取り合えず今できることをしましょうか」

「今できることですか?」

 そういうとステラさんは立ち上がると、こちらへと歩み寄る。

「はい。今後どういう選択をするにしろ、エレナ様にはギフトを使いこなしていただく必要があります」

「ギフト? でも……」

 前に会長から聞いたことがある。

 ギフトを使える人、つまりプレイヤーは無意識のうちにギフトの存在を認識していて、ある程度は思い通りに使いこなすことができると。

 そして、今私にギフトがあるという意識はない。

「そうですね。時間をかければ自然に覚醒まで持っていくことも可能ですが、あまり時間もありませんので今覚醒を済ませてしまいましょうか」

「え?」

 戸惑う私をよそに、ステラさんは私の胸に手を当てる。

「少し気持ち悪いかもしれませんが、我慢してください」

 直後、全身を強烈な吐き気と寒気が襲う。

 全身から力が抜け地面に崩れ落ち、再び意識を落とす。

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