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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第二章 白陽総合学園編
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41話 学園祭③

 祭りを楽しむ宮矢とエレナを遠目に柚葉は考え事をしていると、悠が隣へやってくる。

「いや〜、遅れてごめんね?」

「本当だよ。美味しい所全部持ってかれた」

「あれ、話噛み合ってない気がする」

「それで、あの子は放っておいて良いの?」

「どうなんだろう。どっちにしろ、今の僕じゃ出来ることはもう無いし。人を助けるのって、すごい難しいね」

 珍しく落ち込み、疼くまる悠に柚葉はいつも通りの返事をする。

「今更何言ってるの? 『手が届く範囲だけでも、助けられる人は全員助ける』って大見えっ来ておいてコレじゃあねぇ」

「それ何年前の話?」

「まぁ、悠にしてはちゃんとやれた方だと思うけど」

「それは褒められてるのか馬鹿にされてるのかどっちなんだろう」

 落ち込んでいた悠だが、ふとある事を思いつく。

「あれ? って言うか、最初からゆずが居場所教えてくれてたらこんな事になってない?」

「うわー。この期に及んで責任転嫁はやめた方がいいと思うよ。そもそも、私もどこに行ったのか知らなかったし」

「そうなの?」

「だって、当時の私じゃせいぜい担当の人に繋げること位しか出来なかったし」

「そりゃそっか。お互い自分の事で精一杯だったし」

「今は違うの?」

「どうだろ。ただ、前より固執はしてない、と思う。もちろんずっと探してはいるけど、ここまで手がかり無しだとどうしてもね……」

「そう言うものなのか」

 悠は両頬を叩き気合を入れると、勢いよく立ち上がる。

「さてっ、こうしてても何も変わらないし。ゆずはこの後どうするの?」

「さあ。みやとエレナと一緒にまわろうかなって」

「そっか。邪魔しちゃ悪いし、何か美味しい物でも探しに行こうかな〜」

「別に邪魔とは思わないと思うけど。それよりさ、今日の夜空いてる? て言うか、部屋行っても良い?」

「どうしたの急に」

「ちょっと大事な話があって」

「それって今じゃダメなの?」

「いや、別にダメって訳じゃないんだけど……。出来れば人の少ない場所でが良いて言うか、茜には聞かせられないし」

「そっか。じゃあ夜に」

「うん」

 悠は少し浮き足立って縁日の方へと向かっていく。

 柚葉が2人の様子を見に行こうとすると、茜が抱きつくため腰に回す手に力を込める。

「どうしたの?」

「はなし、なんのこと?」

「聞いてたでしょ? 茜には聞かせられないの」

「お姉ちゃんは私だけのもの。誰にも渡さない」

「そんなわがまま言わないの。大事なお仕事の話だから、ね?」

「ん」


 悠さんと会長が話をしているのが見え少し気にしていたが、気づけば悠さんはどこかへ行ってしまっていた。

「さっき悠さんと何話してたんですか?」

「ん? 仕事の話だよ。それより、みやは?」

「みやさんならあそこに」

 そう言いながら一方を指差す。

 その先では学園祭に遊びに来た子供たちに、みやさんがゲームのコツを色々と教えていた。

「あはは。なんだかんだみやが1番楽しんでそう。でも、エレナも今のうちに気分転換しておきな。あと1ヶ月もしないうちに紫陽の学園祭があるから」

「ずっと気になっていたんですけど、紫陽と白陽って姉妹校なんですよね? 何で学園祭が別々なんですか?」

「うーん。色々と噂はあるけど、よく聞くの当時の生徒会から同時だと運営が大変だからって苦情があったからって」

「そうなんですか」

「まぁ、別々の方が楽で良いとは思うけど、私は個人的に 2校同時にやったらそれはそれで賑やかで楽しそうだとは思うけど」

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