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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第二章 白陽総合学園編
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39話 学園祭①

 学園祭が始まり溢れる人の中、私は会長とみやさんを待つため一人校門に立っていた。

「お疲れ様だったね〜」

 向こうから人混みに紛れて会長と茜ちゃんがやってくる。

「いえいえ、私は何もしてないですし」

「まぁ、そう言わずにさ。それより悠は? 一緒にいるよう言ってたと思うんだけど……」

 会長は辺りを見回しながら聞く。

「それが少し前までは居たんですけど、気付いたらどっか行っちゃって」

「そう。まぁなんとなくどこ行ったかはわかるからいいけど」

「そうなんですか?」

「多分ね」

「そう言えば、みやさんは来ないんですか?」

 一緒に来ると聞いていたが、会長が来た方を見回してもみやさんは見当たらなかった。

「あれ、本当だ。もうすぐ着くんじゃないかな」

 そうしてしばらく待っていると、大荷物を持ったみやさんがやってくる。

 みやさんは私達を見つけると、そばまでやって来て荷物を地面へ置く。

「疲れた〜!」

「この大荷物は何ですか?」

「九条君が急用で来れなくなったから、これを届けておいて欲しいって」

 私たちが話をしてるいると、不意に会長の背後にいた茜ちゃんが会長の服の袖を引っ張る。

「じかん……」

「あっ! ごめん、すぐに行こうね」

「どこか行くんですか?」

「茜が演劇部の公演が見たいらしくて、私もちょっと興味あるし」

「へぇ、演劇部ですか。そう言えばどんな話なのか聞いてないかも」

「そうなの? ここの演劇部は少し特殊で、毎年同じ話を少しずつ脚本とキャストを変えながらするんだよ。大筋は女神と人間の恋で大体ハッピーエンドで終わるんだけど、過去には何回かバッドエンドもあったらしいね」

「へぇ、そうなんですか」

「興味あるなら一緒に来る?」

「良いんですか?」

「うん」

「じゃあ、ぜひ」

「みやはどうする?」

 みやさんは地面に置いた荷物に寄り息を整えながら答える。

「え? ええぇ……、行きます」


 時間は少し戻って、公演を行うホールへの通路を3人の生徒が談笑しながら歩いていた。

「今年で最後かぁ」

「あれ? あの心音も感傷に浸ることもあるんだ」

「ちょっと、人を何だと思ってるの?」

「少なくともあたしらよりはそういう感じじゃないじゃん?」

 心音を中心に3人は、ふとかけられた声に振り返る。

「心音っ……」

 声の主は少し離れた場所で切らした息を整えるように、壁に手をついていた。

 2人は服装などから、少なくとも生徒ではない事はすぐに察した。

「知り合い?」

「ううん。知らない人」

「申し訳ないんですけど、ここは一般の人は立ち入り禁止になっていて……」

 心音はそう言ってその場から退けさせようとする友人の肩に手を置き、止める。

「ごめんなさい。すぐに終わるから先に行っててください」

 先までとは違い、雰囲気や口調が変わった事に戸惑いつつ、友人たちは手をひくと冗談混じりに釘を刺す。

「わかったけど、時間には間に合うようにしてよね?」

「そうそう。いつだかみたいにフラフラ〜って居なくなられちゃ困るし」

「うん。大丈夫です」

 心音は2人が行ったのを確認してから話し始める。

「今更何しにきたの? 母さん」

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