33話 ちょっとだけ昔の話①
場所は生徒会室へともどり、私三枝さんが机を挟んで座っていた。
「さて、情報交換も兼ねて経過報告会をしようと集まった訳なんだけど、環来ないね」
「そうですね、来ませんね」
「ごめんね、待たせて」
「いえいえ」
「そうだ。せっかくだし、この前の続き聞かせてよ」
「この前の?」
「ほら、柚葉と不知火君の話」
あー、そんな事話してたなぁ。
「良いですけど、あまりネタがありませんよ?」
「そうなの?」
「だって、私がここに来てからまだ数ヶ月ですから」
「そう言えば、そんな事柚葉が言ってたけな。じゃあ、中等部の頃の2人の話とか興味ある?」
「え? 中等部は一緒だったんですか?」
「そうだよ。まぁ、不知火君とは面識なかったけど」
「すごい興味あります」
「よし、じゃあ少し付き合ってもらおうか」
柚葉は中等部に入ると同時に連邦会に入って、ウチらからすれば雲の上のような人だった。
だから、寮の部屋が同じにならなかったら、話すことすらなかったと思う。
柚葉はウチが起きるより早くに寮を出て、帰ってくるのは夜遅くだった。
学校でも常に周りに人がいて、話す機会はなかった。
だから、話すのは夜寝る前の少しだけ。
それでも、半年もすればお互い気兼ねなく話せるようになっていた。
「はあぁぁぁぁーー、つかれたあぁー」
「お疲れ様。今日もいつもの先輩?」
「そう! そろそろギフトの使い方にも慣れなさいって、トップスピード維持したまま街中を回らされてさ」
「慣れなさいって、その使い方って先週に考えたやつでしょ?」
「考えたのは私じゃなくて、その先輩。しかも、多分思いつきだし」
「へぇー、厳しいね」
「厳しいなんてものじゃないよ。ありゃ鬼だよ」
「はいはい、じゃあ横になって。早くマッサージ終わらせて寝ないと、明日も早いんでしょ?」
「うん、いつもありがと」
そんな事が続いたある日の事。
いつもと同じように帰ってきた柚葉は布団へとダイブする。
「はあぁぁぁぁーー、つかれたあぁー」
「あれ? 今日は早いんだね」
「うん、今日は連邦会の方はお休みだから」
「そう。じゃあ、何でそんなにお疲れで?」
「なんか、変なのに絡まれて」
「変なの?」
「隣のクラスの……、何とかって人」
「それじゃあ全くわからんのだけど」
「えーっと、髪が赤い男子生徒」
「赤い髪……。あ、もしかして不知火君?」
「あー、確かそんな名前だったかも。有名人なの?」
「まー、悪い意味で話は聞くかな。学校に来たり来なかったりで、何回も先生に呼び出しされるんだけど、成績は良いから手を焼いてるらしいって」
「へー、そんな風には見えなかったけど」
「ま、人は見た目じゃないしね。良くも悪くも」




