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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第二章 白陽総合学園編
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28話 白陽総合学園

「連れてきたよ、環」

 三枝さんに案内され生徒会室に行くと、そこに居たのは髪が半分近くが白くなってやつれた人だった。

「おひさー、って大丈夫? 前より顔色が悪い気がするけど」

「そうですね……。最近は学園祭の準備で忙しくて」

「ちゃんと休まないとダメだよ?」

「はい。気をつけます。それで、そちらの方は?」

「我らが期待の新人」

「何ですかその紹介は。恥ずかしいのでやめて下さい。2年生、生徒会のエレナです。よろしくお願いします」

「普通科1年、生徒会長の八重環(やえたまき)です。急な呼び出しですいません」

 八重、どこかで聞いたような。

 たしか、茜ちゃんの事件の時に来た紅輪の生徒も家名が八重だったような……

「たしか、もう姉さん達には会ってるんでしたね」

「それじゃあ」

「紅輪学園の八重沙羅、紗奈は僕の姉です」

「環、その話は後にしてあの事話さないと」

「やっぱり、話さないとダメですか? 僕は放っておいても良いと思いますけど」

 環は渋々といった様子で1枚の紙を差し出す。

 悠さんがそれを受け取り、読み上げていく。

「『学園サイヲ中止セヨ、サモナクバ学園ヲバクハスル』。何というか……。ありきたりな内容だね」

「それで、この事は先生方には話しているんですか?」

「それが、環が話す必要は無いって言って聞かなくて」

「前にも似たような事はありました。ただ、その時は何も起きませんでしたし、今回もきっと同じだと思います」

「それでも、相談だけでもした方が良い」

「ダメなんです! 学園祭だけはっ」

「そりゃ場合によっては学園祭は中止か延期になるかもだけど、何かあってからじゃ取り返しが付かないし」

「そんなの分かってます。それに犯人は分からなくても、目的は何となく分かります」

「その目的って何なの」

「簡単です。僕を困らせたいんでしょう」

「どうしてそんな事」

「姉さん達が紅輪に行く前は2人とも白陽に居ました。いくら時間が経っても、白陽の生徒の多くは紅輪の事をよく思っては居ません。そんな中、白陽の生徒が紅輪に行き、入れ替わるように弟の僕が白陽に入った。理由としてはそれだけで十分でしょう」

 そう話す環さんは、直ぐにでも倒れてしまいそうなほど弱々しかった。

「それでも僕は大人に相談するべきだと思う。環が置かれている状況も含めて、全部」

「そうしたく無いからお二人に来て頂きました。お願いです、学園祭を中止させない為に力を貸してください、この通りです」

 そう言い、環は深々と頭を下げる。

 根負けしたと言う様子で悠さんは一息つくと環さんの頭に手を置く。

「はぁ、わかったよ、協力はする。でも根本的な解決は僕たちじゃ出来ない事は分かっておいて。エレナちゃんもそれで良いよね?」

「はい、出来る限り頑張ります」

「ありがとうございます」

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