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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第一章 紫陽学園編
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24話 授業見学

 紫陽学園には大きく分けて2つの校舎がある。

 座学の授業で使用する教室や職員室、図書館などのある南館。

 工学系の授業やエンジニア部等で使用する工房のある北館。

 校舎は共にレンガ造りの4階建てになっている。

 私は南館を一周すると、そのまま北館へと案内されていた。

「おーい、ここならどうだ?」

「ちょっと、これ誰の? 邪魔なんだけど!!」

「すいません! すぐにどかします」

「誰かー、ここ押さえてて欲しいんだけど!」

 壁が取り払われた広い空間に響く大声は吹き抜けを通して2階まで聞こえていた。

「1階は大型の機械とかロボットとかを作ってて、2階以上の工房で小型中型とか大型の物のパーツとかを作ってるの。普段はもうちょっと静かというか、おとなしいんだけどこの時期は忙しくて」

「そうですか、何かあるんですか?」

「えっと、授業の課題と白陽の文化祭に提供する機材。あとは細かいのがちょこちょことあって……そろそろ文化祭の事も考えなきゃだね」

「それは、なかなか大変ですね」

「そこまで分かってるなら何の用だ」

「ああ、少し冷やかしに。って、なんでここに九条先輩が」

 私たちが話していると、何処からともなく九条先輩が現れる。

 ただ、目元には以前会った時には無かった大きなクマができていた。

「なんでも良いが、来たなら少し手伝え。どうせ暇なんだろ?」

「あ、ちょっ……。待って、タンマ!」

 みやさんの抵抗むなしく、九条さんに首根っこ掴まれて引きずられていく。

「あの、頑張ってくださーい」

「そんな……。エレナまで」

 そうして1人残った私。

 一体これからどうしようかな。

 勝手に動いて怒られるのもやだし。


「あの、何か用……ですか?」

「あなたは、確かこの前生徒会室で」

「えっと……いちねんの小鳥遊千智(たかなしちさと)です」

「あぁ、そういえば。エレナです」

「エレナさんは何故ここに?」

 そう不思議そうに聞かれ、ここまでの経緯を話す。

「なるほど、先輩がすみません。代わりと言ってはなんですが……私が案内、しましょうか?」

「え、でも忙しいんじゃ」

「私はまだ、余裕がある……ので」

 返事をする前に小鳥遊さんは私の手首を握るとくいっと引っ張る。

「そ、それじゃあお言葉に甘えて」

「は、はいっ」

 それからは北館の中を順に巡っていった。

 そして最後に案内してもらったのが小鳥遊さんの工房なんだが……

「これがこの前の物を改良した物で、こっちは戸田会長のギフトの助けになればって思って。それでそれで」

 私は次々と自身の成果物を持ってくる小鳥遊さんを止めることが出来ず、気づけば何時間も過ぎていた。

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