19話 処遇
数日後、柚葉は双葉に呼ばれて禁書庫を訪れていた。
「それで、何の用ですか」
「連邦会長から2人の処遇が降りた。どっちから聞きたい?」
そう言う双葉は引き出しから1通の封筒を取り出すと、封を開け中身を確認する。
「どうせどっちも聞くんです。どちらからでも構いませんよ」
「そりゃそっか、では僭越ながら」
双葉は席を立つと姿勢を整える。
「紫陽学園生徒会会長、戸田柚葉。一連の事件の責任を取り、連邦生徒会の席の剥奪。次に戸田茜、連邦生徒会は事件時何者かに洗脳されていたと判断。よって身柄を連邦生徒会の管理下に置いた上で無期限の行動制限を課すものとする」
双葉は一通り読むと、全身に入れていた力を抜き再び背もたれに寄りかかる。
「さて、言いたいことはあるかな?」
「意外に軽いんですね。てっきり生徒会長を辞めろとか、退学しろとか言われると思っていたので」
柚葉はリラックスした様子で紅茶を口にする。
予想外の反応をされた双葉は内心驚きつつ、もう1通の封筒を差し出す。
「これは?」
「連邦会長からの個人的な手紙、出来れば直ぐに読んで欲しいって。それとお茶のお代わりはいる?」
「じゃあ、もう一杯だけ」
柚葉は双葉から手紙を受け取ると、手紙の内容を確認する。
手紙の内容は大きく分けて二つ。
一つ目は戸田茜が何者かに洗脳されていたことと、記憶が無くなった原因は洗脳が解けた事に関係していて、時間をかければ思い出させる事も不可能では無いということ。
二つ目は戸田茜に洗脳をした人と、不知火悠の研究資料を持ち出したのが同一人物、もしくは同じ組織である可能性が高いと言うこと。
裏サイトで取引されてる物の多くが今回使われた物に比べて性能が低く、何度も使えるような物では無かった。
手紙に同封された資料に目を通していると、双葉がティーポット片手に席に戻る。
「手紙、何が書いてあったの?」
「茜の事と、魔石の事。多分後ろに誰か居るかもしれないって」
「まぁ、そんなとこだよね……。上手いこと尻尾掴めれば良いんだけど」
予想通りだったものの思わしくない内容に2人の顔が陰る。
「そうそう、最後に挨拶しに行った方がいいと思うよ。学園会長辞めずに済んだのもあの方のお陰みたいなとこあるから」
「そう、なら今日中にお礼を言いに行かなきゃね」




