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拝啓、あの世の私へ  作者: りんごあめ
第一章 紫陽学園編
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18話 凶器

 午前のうちに退院した悠は、昼過ぎの生徒会室に顔を出していた。

「いやぁ、死ぬかと思ったよ」

 そう言いながらケラケラと笑う悠さんを、みやさんが睨みつける。

「いやぁ、なになに? そんなにじっと見ちゃって。もしかして新たな恋の予感が」

「しません。バカ言って無いで早く情報を下さい。報告書やら始末書やらで大変なんですから」

 ふざける悠さんの頭をペシペシとみやさんが叩く。

 何故か満足そうな顔をした悠さんは机の上に昨日の布袋を置く。

「これは?」

「昨日僕たちが持たされた袋。そして、記憶喪失事件の凶器。の模倣品」

「それは分かりましたけど、中身は何ですか? というか触っても大丈夫なやつ?」

 そう言いながらみやさんは汚いものでも触るかの様に、鉛筆の先で袋をつつく。

 質問に答える様に悠さんが袋を開けると、中から手のひらサイズの黒い石が出てくる。

「これは……宝石か何かですか?」

「まだちゃんと名前は付けてないんだけど、開発上の仮称は魔石って言って、これがあれば何処でも誰でもギフトが使えるって物。ただ、まだ研究途中で実用化には程遠いんだけどね」

「なるほど。これが何か関係あるんですか?」

「いやぁ、何処からか研究資料が漏れちゃったみたいで、闇サイトで粗悪品が出回っちゃってね。今調べてもらってるんだ。多分それが使われたんだと思う」

 いまいち反省してるんだかわからない態度でいる悠さんは机に広がった魔石を集めると袋にしまい、それを私に向けて差し出す。

 私は反射的に手を差し出すと、そこに袋が置かれる。

「ね、ついつい持っちゃうでしょ?」

「そうですね、まして相手が年下なら尚更ですね」

 満足する結果が得られたからなのか、悠さんは満面の笑みで袋を取りみやさんにも向けるが一向に手が出されない。

「それはそうと、何で悠さんは記憶が無くなってないんです?」

「さあ?」

「さあって、まぁ方法がわかっただけでも十分か」

「一応心当たりが無い訳じゃ無いんだけどね……。説明がしづらいし、再現実験もしたく無いから」

 そう言う悠さんは袋をしまい椅子に座る。

「そう言えば、茜ちゃんはどうなったの? 目が覚めたってのは聞いたけど」

「今病院で検査してるそうですよ。会長と双葉さんが付き添ってます」

「双葉……って禁書庫の? なんで引きこもりの彼女が」

「引きこもりって……。後で怒られても知りませんよ。双葉さんが居るのは、連邦会として監視するためだそうです」

「監視って。ゆずは変なことしないと思うけど?」

「いえ、監視しているのは茜ちゃんだそうです。記憶が無くなったとはいえ、何をするが分からないですから」

「なるほどね。それもそうか」

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