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肉巻きおにぎり(続き)

 ドレイクの数式…


   N = Rx × fp × ne × fl × fi × fc × L


「ここで、ドレイクが予想した予想した N は幾つだと思う? 

 つまり、我々の銀河にコンタクトできる可能性のある地球外知的生命体の存在しうる予想数は?」


 洋ちゃんは考えながら…


「1万位ですか?」

 俺は、首を横に振り、パッド型PCを見せながら言った。

「10. だ」

「えっ? たった?」

「たったと思うかい? 私は10もあるんだと思ったんだけど… よく考えてごらん、全て掛け算なんだ。一つでも0があったら、Nは0になるんだよ。それが0じゃない事が凄いじゃないか…」


 洋ちゃんは引きつったような、絶望感極まる表情をしている…


「まぁ、ハビタブルゾーンに惑星を持つ恒星というのは、年々観測数が増えているから、ドレイクの時代より数は増えてるかもしれないね。でも、更に考えてみてよ。この式は、『コンタクトできる地球外知的生命体』なわけで、地球まで飛行物体を飛ばして来れるわけじゃぁないんだ。電波を飛ばして、僕らにコンタクトできるレベルの話なんだ」


「じゃぁ、UFOが地球に来る格率はとても低い…」


「そういう事だね。アインシュタインの相対性理論によると、光より早い物質は存在しないから、相対性理論をぶっ飛ばして、スターウォーズのハイパースピードを実現できる科学レベル。そして地球にやってこようと思う動機付けがある事と、更にその科学レベルが持続できる期間というのがドレイクの数式のパラメータに追加されるから、Nの数は相当低くなるね」


「ほとんど、0に近いじゃないですか…」

「そうだねぇ、ドレイクの見積もりに少々加味してみても、我々の銀河では存在しないことになるかな…」


「でも、確かではないでしょう?」

「そう、何一つ確かな事はない。 だからUFOの話は私は苦手なんだよ」


「じゃぁマスターは、UFOはなんだと思うんです?」


「TR-3Bみたいな地球産の秘密の航空機かなぁ」

「ええ? TR-3Bって、宇宙人からの技術供与で作られたものじゃないんですか?」

「まぁ、そういう話が一般的だけど、私のイメージでは、宇宙人が地球に来ている、というのが納得できないんだよね。そういう情報を少しずつリークして、ことある毎に宇宙人のせいにして、新型航空機や軍の秘密を守ってるんじゃないかな。 ナチスもUFOみたいな形の航空機を開発していたって言うし…」


「じゃぁ、マスターはUFOの目撃例は、米軍の秘密で開発された航空機だっていうんですか?」


「まぁ、全部じゃないけどね。 気球とか何かの見間違いとかを除いたら、軍関係のものが多いと思うよ」


「だって、米軍はUFOの存在を認めたじゃないですか」


「正確にはUFOを認めたわけじゃなくて、UAP(Unidentified Aerial Phenomena、未確認空中現象)を調査した事を認めたんだけど…だから、こういう情報を小出しにして予算を獲得するとか…別の目的があるんじゃないかと思うんだよね」


「それって、UFO…というか、UAPを認めた事になるんじゃ無いですか?」

「聞き取り調査した… という事と、公に認めた… というのは微妙に違う気はするんだけど、まぁ解釈の仕方によっては、認めたと考えても良いかもね」


「じゃぁ、マスター地球人に交じって、宇宙人が普通に生活しているってのはどう思います?」

「私は、無いと思うねぇ。 レプテリアンだとか、グレイだとかがよく政府要人を動かしているなんて聞くけど、それってどこかの秘密結社が政府の要人を動かしているってのと同じで陰謀論の最たるものだよね」


「じゃぁ、アブダクションについては?」

「ほとんどの場合、アブダクションされた時の記憶が無くて、なんか時間的におかしいとか、変な夢を見るとかあって、退行催眠(ヒプノセラピー)によってアブダクションされた事を思い出すって言うよね。ヒプノの場合、術者は患者に記憶を刷り込む事ができるから、それなんじゃない?」


「あくまで、現実的なんですねぇ、マスター」




「実はさ、UFOがエイリアンクラフトというのは仮定の話じゃん? だったら、未来人のタイムマシンという仮説の方が面白いと思うんだよね」


「ええ? UFOが未来人の乗り物ですって?」


「いや、勿論ファンタジーの話だけど、宇宙人というと… 知的生命体が『いるか、いないか』という議論からはじめなけりゃならないのに対して、未来人は絶対いるわけじゃん。 例えば明日の洋ちゃんは、今日の洋ちゃんから見たら未来人でしょ?」


「まぁ、そうなりますね」


「相対性理論による光の壁をぶっ飛ばして来るって仮説に対して、時間の壁をぶっ飛ばして来るって仮説でもありなんじゃない? そしたら、いるかいないかわからない宇宙人よりも、確実にいる未来人の方がより説得力あるんじゃないかな」


 洋ちゃんは腕を組んで、考え込んでしまった


「いや、あくまで、ファンタジーの話だから… 未来からじゃなくてパラレルワールドからの来報説もあるし… 」


「全部推測ですよね?」


「いや、推測というよりあくまでファンタジーだよ。まぁ、落ちが無い話に無理やり落ちをつけようとするとこうなってしまうというか… 」


 洋ちゃんは自分の意見を言わないでとりあえず、私の話を聞いてくれたから、こんな話もできたけど、大抵の場合UFOを信じている人は、自分の意見を崩さなくて、議論は平行線になってしまう… 


だから私はUFOの話は苦手なんだ…

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