第2話
カラスと違って僕は人気者さ。
この間、昼間に散歩していたら、たまたま人間の女の子にあったんだ。
「きゃーかわいい!」って言われたんだ。
嬉しくなって挨拶しに行ったよ。
そうしたら、お菓子もらっちゃった。すんごく美味しかったんだ。
思わず、「もっとちょうーだい」って、さらに近づいて行って袋をつかんだら、逃げられちゃった。
だけど、お菓子の袋はもらったよ。
美味しかった~。
また、女の子が来ないかなぁって、近所を散歩するようになったんだ。
ときどき、女の人に会うけど、挨拶しても、なかなかお菓子をくれなくなった。
シマシマの尻尾を振って、かわいい!アピールをするけど、知らんぷりさ。
自分達は食べているのに、独り占めなんて欲ばりな人間だよ。
だから、そういうときは自分から「お菓子をちょうだい」って言いに行くんだ。
女の子の持っている袋をつかむと、大体、分けてくれるよ。
でも、人間にも獰猛なヤツがいるんだ。
ある日突然、紺色の制服を着た人が大ぜいで来て、網を持って僕を追い掛け回すんだ。
「お菓子を盗った害獣だ!人間の物を奪い盗った悪いヤツだ!」
酷いよね。
失礼だよ。
僕がかわいいから、プレゼントしてくれたんだ。盗んでないよ。
僕は近付いて挨拶しただけさ。
必死に逃げて、家に帰ろうとしたら、さっきの制服の人が待ち伏せしていた。
また、追いかけ回すんだ。
ぐるぐるぐる、しつこいよ。
家に帰れなくなっちゃったじゃないか!
仕方がないから、引っ越すことにした。
新しい家を探すため、旅に出ることにしたんだ。
あらいぐまは学習能力が高く、本当に他の獣に比べて、極端に交通事故死が少ないんです。