第一部序章 〜生か死か。それとも?〜
やってしまった
私は異常に後悔している
嫉妬心だけならまだしも「彼」を殺してしまった
私は「彼」を…「上里 要一君」を殺してしまった
私も死ぬべきか? でも「彼」の両親に謝罪もなにも出来ない
「ぅぅぅ…」
死後硬直だろうか?
それにしては早すぎる
色々考えているうちにそれが死ぬ直前に考えたことだろうとわかった
伝えたいことがあったのだろう。言わば呪いの一種である
彼の携帯にはメモに
「ごめん。一緒に暮らせなくて。この携帯に神様から転生権利を付与してもらっている
待受から「決定」押してISN-Appli選んで『あなたの彼氏より』ってアプリを開くともう一度…
いや何度でも逢えるようになる。でも開いた瞬間この世界から居なくなる。遺言残しとけよ。
僕と君の思い出の品は会えばわかるさ。
追伸:一夫多妻制の世界だからこんなこと二度とするなよ」
と書かれている。保存されていないメモが画面に写っていた
「遺言を書いてから追いかける」の意気で遺言を書く
「遺言書
私は大切な人を殺してしまいました
彼が死の間際私に伝えたいことがあったようで
ありえないかもしれませんが死後しばらくして携帯にメモを残してくれました
彼は別の世界で生きているみたいです
二度と同じ過ちを繰り返さないように私はその世界に行きます
上里 要一さんの家族へ
嫉妬心にかられ殺してしまった私は許せないでしょう
私は彼が希望した転生をします
こんな私でごめんなさい
私の財産の半分は譲渡します
清河 星蘭」
本当に行けるのか心配だったが
アプリを開いた瞬間
目の前が黒く染まった