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レオナルドは、ひたすら食べ続けた。
目の前の肉のことだけしか、考えられなかった。
だが、レオナルドは気が付いていない。
レオナルドの全身から、水が吹き出ている。
青い液体だ。
乾いたものは赤くなって、おかしな輝きを放っている。
「お前の体にはエンブリオが植えつけられた。これから、お前の体は私の想像を具体化する。
そうだ、翼に羽が生えるんだ、お前はそれで空を飛べる。空を飛ぶゾンビの誕生だ、はあああああああ」
翼に羽が?
レオナルドは気にせず、肉を喰らい続けた。
筋肉は、レオナルドの意志を反映させ始めた。
骨は伸び、骨格は膨らんだ。
保てる筋肉の量を増やしている。
体は備えているのだ。
あるゾンビ。とあるゾンビだ。ほぼ腐った肉の塊だ。
だが、エンブリオは応えた。
レオナルドという、ゾンビの夢に。