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ゴーレム少女と逃避行  作者: ウミノシオアメ
一章 逃避行の始まり
3/6

2話 時には昔の話を

ようやくタイトルに沿った物語がはじめられます。今回はちょっと詰め込み過ぎてしまい読みづらいかもしれません。

書き方にも工夫ができるよう頑張りますので、末永くお付き合い下さい。

「急に態度を変えたな、一体何を企んでいる」


「別に何も、まずは自己紹介から始めようか」


敢えて馴れ馴れしく接してみる。苛立ちでボロが出るかもしれない。


「あっ、まずは自分から名乗るのがマナーってもんだよね。僕はハインス、都市バースで騎士をやってる15歳の人間だよ」


必死にくだらない奴を演じる。すると早く会話を終わらせる為か返事があった。

「私は・・・、ロッテ、ロッテという名だ。現在は魔王軍幹部で強襲隊隊長を務めている。これでいいか?」


呆れた様な声音でそう語った。

「気になる点が2つ、なんでそんな喋り方なの?女の子でしょ。それにゴーレムって普通は喋ったりできるもんだっけ?」


彼女は大きな溜息をつきながらも、また疲れ切った様な態度で語りだした。

「確かに元は女だが今はゴーレムだ。そんなもの関係ないだろう。そして喋れる理由だが長くなる、話したくない」


だが諦めずに


「問題ないよ、門限なんてないから」


とより鬱陶しさを増した喋り方でまくし立てる。


「それを話せば、もうお前は帰るな」


「帰るよ、約束する」


そう言うと再び心底気怠そうに彼女はその口を開くのだった。



「私がまだゴーレムでなかった頃の話をしよう」


私は元は今で言うダークエルフだった。

私の家系は代々ゴーレムに魂を移す研究をしていた。 ここまで言えば私が話せる理由は分かるだろう。だがここで話を止めてもお前はまだ質問を続ける気だろう。癪だが私が魔王軍に入ったきっかけも特別に教えてやる。

厄介な奴に話しかけられたものだ。また人生の中で一つ不幸が増えたな。

お前はダークエルフとエルフの違いを知っているか、善し悪しだと、ふざけるな。

耳の形だ。元々ダークエルフいう呼び名は存在していなかったのだ。ところがある一部の欲深き連中が利益の為に対立を生み出したのだ。そいつらが人間だ。人間がエルフ族を真っ二つに引き裂いたのだ。

内戦の中、私達家族は持っていた技術の為に

多くの人々に狙われた。

一家はたちまち離散したよ。そして私も一度捕まった。逃げ出す為には自分がゴーレムとなるしかなかったのだ。自分の元の肉体はそのとき封印した。いつかあの体に帰る為だ。

しばらくはこの体で、ゴーレムとして生きていこうと思っていた。

けれど世の中上手くいかないものだ。待っていたのは内戦の時と同様の迫害の日々さ。

体を取り戻そうにも、内戦の激化でもうあそこには戻れないんだ。

もうすっかり自棄になってたとこに現れたのが魔王だったって訳さ。

俺に従えばやがては貴様の肉体を取り戻してやろう、そう言ってたっけな。

だが配属されたのは強襲隊、1番移り変わりの激しい部隊さ。私は嵌められたんだよ。

だがゴーレムだからな予備の空のゴーレムがあれば死ぬことはないんだ。そのままずっと生き残ってたら隊長になってたんだ。

出世したしな、暫くはこの部隊に留まろうとも思った。

だが魔王の奴は元から私を捨て駒にする気だったからな。そして私をここに派遣したのさ。お前は知らないかい、ここバースには中々の封印術師がいるんだよ。

魂ごと封じられちゃもう終わりさ。何も出来ない。魔王は始めからこのストーリーを描いていたんだろう。ま、どうせ私はあと何日か後には封印されるんだ。残された時間を貴重に過ごしたい。そういう訳だ。もうお前は帰ってくれ。最後に今までの鬱憤を吐き出せて良かったよ。ちょっとした幸運だった。




「実は僕も捨て駒にされてるんだよ」

何故こんな言葉が出たのかは分からない。相手と自分を重ね同情しているのか。はたまたこのゴーレムのことが気に入ったのか、僕ももう自棄になっているのか、とにかく自分でも思わぬ言葉が出た。


「捨て駒同士いっそのこと、逃げ出さない」


この日から奇妙な逃避行が始まることとなったのだった。

次回から少し遅れるかもしれません。

なるべく頑張ってみますが、もしもの時は察してやって下さい。

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