はじまりのはじまり
初投稿になります!
理不尽な批判コメはやめてほしいです。
アドバイス等はしてもらえれば反映したいと思います!
応援コメすごい嬉しいです!!!
おそらくとってもゆっくりな投稿になると思いますが、宜しくお願いします!
全身に汗のベタつきを感じながらソファから体を起こす。
見慣れた小さな部屋が夕陽で赤くそまっている。消し忘れたテレビでは、夕方のニュースが流れスーツを着た大人達が新しい医学の研究について討論をしているようだ。
窓から外の様子を伺うと、人工の物とは思えない自然と、発明当時は世間を騒がせた、
空飛ぶ車が行き来している。
置時計で既に6時をまわっているのを確認し気だるさの残る体で伸びをする。
「兄さん今起きたの?」
ドアが開き、声変わりの終わっていない弟の大悟の声が。ぼーっとした頭に響きわたる。
「日曜くらいいいだろ?今朝まで古い小説読むのに夢中で寝不足なんだよ」
「体に悪いからやめろよなー大体、戦闘機器開発科の兄さんは、小説なんて読まなくてもいいだろ?」
冷蔵庫から水を取り出しながら弟が呆れた声で言う。
「そお言われても面白いんだよこれ!今の世の中じゃ当たり前の物が夢の様な道具として登場すんだぞ?こういうの研究するの好きなの知ってるだろ?」
現在、西暦3015年では、2000年ごろ映画や小説、アニメ、漫画等で想像の道具として扱われていた物が、日常生活で使用する物となっている。空飛ぶ車や、遠い星でも一瞬で移動できるワープシステム等、挙げだしたらキリがない
「そおいうことは、僕達、文学歴史科の仕事だよ!兄さんは新しい兵器の開発しなよ!」
「別にいーじゃねーか、兵器開発だって真面目にしてんだから」
「そおいう問題じゃないんだよ!」
「まぁいいだろ?小説の中には新しい兵器の参考になるような物もあるんだから」
「もお勝手にしなよ!兄さんはこれだから困るんだ」
ソファの上で苦笑いをする俺を見てハァと深いため息をつき大悟は部屋を後にした。
俺もフゥとため息をつき、ふとテレビを見る、テレビでは先ほどとは内容が変わり、現在の教育方針について討論が行われている。
日本では10年前から新しい教育を行っている。それは、得意ことをやり不得意なことはやらないという、シンプルかつ大胆な教育方針だ。
文系科目の歴史が得意な大悟は文学歴史科を、理系の中でも物理や化学が得意の俺は戦闘機器開発科を専攻して日々勉強している。
弟の専攻している文学歴史科は、古い書物等から歴史を学び未来に生かす事を目的としたものだ。
一方俺が専攻している戦闘機器開発科とは、その名の通り新しい兵器を開発するというものだ。だか現在の兵器の使い道は昔とは大きく違う。
昔は自国の科学力を新しい医学や便利な道具で示してきたが、現在、改良の余地がないという状態まできてしまった。
その結果、開発が進められたのが兵器だ。
どんなに科学が進んでも人間同士の争いは、一向に減少しない。
学生にまで兵器を制作させる時代は一見、
戦争ばかりの荒れ果てた時代の様に思えるが、凄まじい兵器で国同士牽制しあうことで、被害がでないように戦争を回避する方向に話し合いが進むようだ。
まあどうでもいい。
難しいことを考えるのは、やめにしよう。
さてと、大悟の言う通り兵器開発のことでもするかな。
ゆっくりと目を閉じる。
学校で使用する資料の情報が入っているタブレットを想像する。
思考が部屋に内蔵されているコンピュータのプログラムを起動させ手を伸ばせば届く距離の空気中にタブレットを作成する、5秒くらいして目を開けるとそこにはタブレットがフワフワ浮いている。
ふと、今朝読んでいた小説の世界を思い出すと現在の世界とのギャップに笑みがこぼれる
「こりゃ、魔法だな」
独り言をつぶやきなから慣れた手つきで操作をし、明日の兵器開発のプランを確認する。
「ただいまーっ」
大悟が帰ってきたようだ、時計を見ると8時をまわっていた。プランの確認に集中していて時間が思いのほか過ぎていたようだ
「おかえりー」
「ちゃんとやってたの?偉いじゃん!」
「まあなー兵器開発自体嫌いじゃないしな、てかもお8時だぞ?飯当番今日はおまえだぞ、まだなのか?」
「分かってるよ、ほらちゃんと買ってきた」
テーブルにコンビニ弁当が置かれる
「まーたこれかよ、いつも同んなじもんであきんだよなー」
「文句言うなら食わなくていいよー」
「はぁーまあ仕方ないか頂きまーす」
両親は、共働きで基本俺たちが寝るときくらいに帰ってくる。だから晩御飯は俺と大悟の交代の当番制になっている。
当番と言っても基本買ってくるだけだが。
今の時代コンビニ弁当でも栄養バランスは完璧だからそこら辺はあまり気にしなくても大丈夫、しかしたまには手料理が食べたいものだ…。
「ごちそうさまー」
「兄さん今日もいくのかい?」
「ああ、行ってくる」
俺は食後ランニングを日課としている。
運動するのは好きな方だ、気持ちがいい。
「じゃあ行ってくるー」
「行ってらっしゃーい」
完璧に整備された道とは裏腹に周りには自然が多い、人間の手で作られた植物らしいが詳しくは知らない。
ふぅー息を吐きいつものランニングコースの折り返し地点に到着する。風が心地よい、軽く肩を回し屈伸をする。そして靴紐を結び直す。いつもの癖だ。
その時。
ゴオオーッとっという音ともにトラックが歩道に突っ込んで来る。
気づいた時には、俺の体は宙を舞っていた。
世界が突然スローになり凄まじい衝撃が身体中を襲う。不思議と痛くはなかった。
その日、全てが変わった。