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「というわけで、元帥様は不憫属性だとつくづく思うのです」


「それは確かにそうだな、そして報われない系でもあるのであろうな」


「ですね!」


魔王(本物)様もちゃくちゃくと現代日本の知識を蓄えてくださっておりますので最近では萌えなどの単語も普通に使ってくれる

ビバ、二次元大国日本(笑)


「そういえば魔王(本物)様、最近一部上流階級の魔族の奥様方の間でBLが流行っていると噂話で聞いたのですが真実ですか?」


「うむ、宰相×元帥の薄い本が出回っているぞ」


侍女の一人がそこへ持ってきて置いていったとおっしゃる魔王(本物)様の指さしたその先にはいくつか本が積み重なっていてその一つの山の中腹に確かにほかの本と比べると薄い本が一冊挟まっている


「読んだんですか?」


「いや、まだだな 一緒に読むか?」


「・・・気にはなりますが宰相様と元帥様の名誉の為にやめておきます。というか読んだ直後にお二人と顔を合わせるのが辛いです」


さすがに脳内妄想が爆裂してしまって止まらなくなってしまったら宰相様におしかりを受けてしまうだろうし

しかし、


「誰ですか?魔界のご婦人たちを貴腐人にジョブチェンジさせたのは」


「ああ、シャルロッテだ

東京というところの秋葉原というところで衝撃を受けたと言っていたな」


ロッテ様・・・orz


「あの方、いらん知識を持ち帰りすぎですよ」


「そういえば5人組のアイドルの子を食べたいくらい可愛いといっていたの」


「おおう、さすがサキュバスな発言」


「あと、ファンクラブ会員になったと言っておったぞ」


「逃げて!!なんとなくわかるアイドルグループの方達逃げて!!」


痴女なんて目じゃないエロサキュバスがアイドルグループを襲う日も近いかもしれない・・・。

ニュースで放送されたら知らない振りをしておこう、だってあの人ならやりかねないだろうからねぇ・・・。


で、こんな会話をしておりますが私の今の体勢はなんといいましょうか、とてもとてもおいしい体勢なのです

なんとですね、魔王(本物)様に膝枕をしていただいているのです!!

え?しているの間違いでは?と思われるでしょうが間違いなくされているのです。

堅すぎず柔らかすぎずとてもとても気持ちがよいです


「ほれ、あーん」


「あーん」


そんな風に思っていると一口チョコを口元に持ってこられてぱくりと食べる

あーんとかいう魔王(本物)様、超可愛い!


「魔王(本物)様、そういえばなんですが最近コンビニで新作のチョコ菓子がたくさん販売され始めたので買ってきたのですが、執務室に鞄を置き忘れてきたので持ってきていいですか?」


「おお!そうか!!それはいいな!!」


「今回はとりあえず三種類買ってきたので、待っててくださいね?」


よっこらせっとたちあがって魔王(本物)様の部屋からいつもデスクワークというか書類整理をしている執務室へ向かう


「あ、魔王パート様、どうかされましたか?」


「執務室に忘れ物を取りに向かっているところです」


「そうなのですか、ですがダメですよ?近い距離とは言え、私たちをちゃんと呼んでくださらないと」


めっですよ?と言いながらかわいらしい注意をしてくれる侍女さんにキュンッとなりつつもごめんなさいと謝る


しかし、少し前に気づいたのだがこの魔王城の関わっているみなさま、魔王(本物)様をはじめ私のことを犬か猫なんかの小動物と同等と思っているっぽいと


確かに、魔族の領地には人間は少ない、というか自分を含め10人しかいない

私以外の9人は魔族の方の伴侶だったり、見た目のせいで迫害を受けていたためにそれを哀れに思った魔族の方が保護していたりとそれなりに理由がある人たちだ


ちなみにその人たちも私と同じように小動物をかわいがるような扱いを受けている

そもそもその人たちと会って話す機会があったために気づいたことなのだが・・・


魔王(本物)様を中心として宰相様、元帥様その他四方に領土を分けて統治している領主の方々がいらっしゃってそのうちの一人がロッテ様だ


あれで魔族では元帥様、宰相様に次ぐ実力者というのだからいまでも信じられない、なんたってセクハラサキュバス様なのですから・・・

で、別の領主様であるビーゴ様っていうオーガで見た目凶悪な方がいらっしゃるのだが、その方の奥方様が人間で、デロッデロに甘やかしているビーゴ様に、あ、怖くないやとか見た目に反して愛妻家だなぁとかそんな風に思っていた時に


あれ?なんかこれって愛犬とか愛猫とかかわいがる時の自分に何となく似てる・・・と思って気づいたのだ


第三者の視点で初めて気づいたその事実に、おおぅ・・・と思いはしたものの、とりあえず日本人ならではの、愛想笑いとスルースキルで乗り切るしかないなと考えに至ったりしたのは言うまでもないだろう


そんなこんなで侍女さんたちの私に対する対応はペット的扱いが通常運転であるからしてまぁ、邪険にされるよりはマシだと思っておこう


というわけでチョコレートの入った袋を持って執務室を後にして侍女さんと一緒に魔王(本物)様の部屋へと向かおうとしたのはいいんだけれど


「どうしましたか?ビーゴ様」


さっき思い出していた見た目凶悪でも中身は超愛妻家のビーゴ様が子供が見たらギャン泣きする顔で私の前に佇んでいるのは一体どうしたのだろう?



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