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さて、ではなぜ私が鍛練場に視察に来ているのか?と言いますとまぁなんと言いますか城の警備をしたりする人たちとの交流って大事だからとか、今後勇者が魔王城に来ることを考えてどのように応戦するのだとか
勇者だけならまだしも人間の国が攻め入って来たときにどのように対処するのだとか
前線に立って戦うといことはもちろん私はないそうなのですが、万が一と言うことが合った場合になにもしていないよりはいいということで、なのだそうです
あと、私にちょっかいをかけてくる人たちと応戦する際に一番被害が少ない場所だからそうです
というかこの理由が一番割合をしめているのではないか?と常々思うのですが・・・。
「魔王様、視察の後はゆっくりお茶にしましょうね?」
そんなことを思っていたら隣で一緒に歩いていたヴェーラさんが目を細めてお茶に誘ってくれるのでもちろんと返事をすれば、するりとその柔らかい肉球付きの手で私の手をとってつないでくる
その触り心地の良さに思わず顔が弛めばヴェーラさんの目元も柔らかくなる、と
「ヴェーラ、勤務中だぞ」
「ウルリヘ様も魔王様と手を繋ぎたいのですか?」
元帥様がご指摘してきたのに対しヴェーラさんはさらりと反撃をするので、思わず苦笑してしまう
「はぁ・・・アーダベルト、お前から何か言え」
「嫉妬はみっともないですよ?ところで一音、もう片方空いている手は私と繋ぎましょうね」
そういってもう片方の手を宰相様と繋ぐ形になるのだけれど・・・あれですね 悪ふざけ度120%ですね
宰相様もヴェーラさんも二人して元帥様をからかうことが好きらしいのでなんだか元帥様がかわいそうに思えてきますが、ごめんなさい 右手に超絶美貌のエルフ宰相様、左手に超絶美猫なヴェーラさんに手を繋がれている私は役得以外の何者でもございません。
しかし、胸キュンで萌えますが この魔王城の上層部の方たち もれなく美形すぎるので恋愛感情なんて恐れ多くて抱くことはかけらもなく、むしろこんなご褒美ごちそうさまです。な日々でございますです
額に手を当てて、頭が痛いと言っている元帥様を無視して鍛練場にて演習の見学をしているとやはりちょっかいを出してくる魔族の人たちを周りにいる軍部の上層部の方たちが簡単に撃退してくださるので今日も無事に仕事を終えられそうです
あ、この後 ヴェーラさんと宰相様と元帥様と一緒に優雅なティータイムをさせていただきました
実に眼福でございました