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第5話 平和な午後?

エロさが足りない!と言われたので多少。

エミティが攻めて来るまで後4日。




晃士郎さんが1日好きなように過ごしていいと命令をだした、どー過ごすか迷っていると狩崎の邸の前に車が止まっていた、しかもその車に見覚えがある。気になりつつも、狩崎の本家から出る屋敷の中のピリピリとした雰囲気から開放され肩の力を抜く。


「ブン?」

『む、なんなのだ?』

「ちょっと、お祖母ちゃん所に行くよ」

『わかったのだ』


ブンはまたリュックの中に潜ってしまった、やっぱり体調が良くないようだ。

お祖母ちゃん家まで丁度、15分って所だ、いざ歩き出そうとすると青色の車が止まる間近で見て血の気が引く。

スカイラインGTーR、僕に取っては通称“動く棺桶”母さんの愛車だ。


「ソウ久しぶり、乗りなさい」

「えぇ……いいよって!強制?!」


断ろうと思ったら、腕を引っ張られ後部座席に乗せられた。


「ソウ背がちょっと大きくなった?」

「んー、計ってないから、分かんない!よー!死ぬー!」

「大袈裟!」



スピード違反しまくりの速度と危ないドリフト、洒落にならないマジで死ぬ!


「どー!わぁぁ!どこ行くの?」

「まずはお昼ご飯の買い出し、それから母さんちよ」

このドリフトの中で良く舌を噛まないなと思いつつも後ろから聴こえるサイレンの音が幻聴であることを祈った!

車を駐車場に止めコンクリートの留まっている地面を見て生きている感動を味わう、リュックの中のブンはピクピクと瀕死状態だ。


「ほらカゴ押して」

「ちょっと!待ってよ!」

この人の買い物は大雑把で必要そうな物を手当たり次第にカゴに入れていく、お金が足りるか心配だ。

レジの定員さんの困惑した顔を見つつ金額が凄く気になる。


「9万8465円になります」

「はい」


現金で払う母さん、あんた何者ですかと思うが両手にもつ荷物が重くて喋れない。


「はいご苦労様、ちょっとは力強くなったじゃない」

「はぁはぁ、腕ツッタ……こんなに買って」

「大丈夫だって、奏が上手く使うさ」


父さんよく母さんと結婚したな。

トランクに荷物を積み、地獄のドライブが始まる、先に荷物を置くべく家に帰る家には授業が午後からない歌音姉さんしか居ない。

「歌音〜久しぶり〜母さんだよ〜」

「ソウちゃ〜ん、お帰り!」

「って!無視?!」

母さんを見事スルーし僕に向かって来る姉さんを交わし家に上がる。

実に久しぶりの元の家、輝の家が大きいので狭く感じる。


「ソウ交わす何て酷いな!」

「はいはい、姉さん放れて」


抱き着き癖が実に鬱陶しいが口には出さない、怒ると何されるか分かんないし。

母さんと姉さんが出掛けてしまったので部屋の掃除をする、あちこちに物を置き過ぎだ、二時間かけようやくばあちゃん家の門の鍵を開け家に入る、ばあちゃんは今イギリスに住んでるらしい、鍵を預かってるので防音されている部屋にはいる。肌寒い空気と埃の匂いがする、ここに居ると落ち着く掃除機を取り出し、カーペットを掃除する、窓を開け空気を入れかえた。

『……コゾウはこの場所が好きなのだな』

「わかる?」

『うむ……我輩も好きだ』

リュックから這い出てきたブンは窓から外を眺めながら言う。


「そっか」


掃除機を片付けて、バイオリンのケースを取り出す薄くかかった埃を払い開けるじいちゃんが一番最初に作ったバイオリンだ。

弦の調整を済ませ、少しキツく締める、肩にバイオリンを乗せ軽く演奏をしてみる。


『うぅむ、うまいのだ』

「ありがと……これしか取り柄がなかったからね」


しばらく演奏を繰り返し、バイオリンをケースにしまう又窓を開け空気を入れかえケースを棚に置こうと振り向く。


「……………」

「……………」


今、この世で最も苦手な敵が僕の目の前にいる、不敵な笑みを浮かべ僕より少し高い目線にあるサファイア・ブルーの眼が僕を見据える、嫌な汗が背中を伝い秋の風が更に寒気を悪化させる。


『むぅ……こ、コゾウ』

「これ気持ちいいわね」

「ノベル、ブンを開放してほしいんだけど」


ブンを握力を鍛える道具のようにニギニギしているノベルに恐る恐る話しかけた。

「はい……早速、本題よ報酬を貰いにきたわ」

「報酬?」

「この前助けてあげた」


そういえば、貰うと言っていたような気がする。

僕が思い出した事を表情で読み取ったらしくズイッと距離を縮められる、首を掴まれ壁に押し付けられた、しかし息苦しくはなく優しい手付きで掴まれている。

「………なに、泣きそうになってるのよ、殺しはしないわよ血が足りないの寄越しなさい」

「な、泣いてない!」


ノベルが目を細目顔を近づける、白く長い指が僕の目元に伸び涙を拭かれた。


「嘘は嫌いよ」


反論しようとしたが血で作られたナイフで首を軽く切られる、そして自分の手首の切り口に当てた、血が体から抜けていく感じがするこの感じは注射器で血を抜かれる感覚と同じだ。


「っ……いたい」


徐々に痛みが消え、ふらふらと体から力が抜けノベルにぐったりと寄りかかる形となる。


「充分よ」

「じゃあ放してよ……ちょっと!」


補充が完了したらしくノベルが傷口に絆創膏を貼ってくれた、離れ用としたら腰を確りホールドされ動けない銀王のない僕の腕力じゃかなわない。

おでこをくっ付けられサファイア・ブルーの目が僕の目と確り向き合う、不思議と視線を反らせることが出来ず金縛りに合う。


「ねぇ……貴方はヘタレなの?」

「し、失礼な誰がヘ………ヘタレだ」


今までの事を振り替えるとたいして活躍した用な覚えはないし、負けが多い。


「………わたしに何かしようって気にはならないの?」

「へぇ?」


瞳に怪しい耀きが灯るのを感じる、僕の警報がコンディション・レットを発令している、無駄だと分かっているが抵抗はしてみるブンに視線で助けを求めてみるが血で拘束されて身動きが出来ない。


「………ノベル?」

「……………」

「んんー?!」


ノベルの顔が目の前に迫り口を塞がれる、びっくりして体がビクンとなり目を見開く。


「?!!あふぅ……むぅ」

ノベルの舌が僕の口に潜入してくる、柔らかい感触と暖かい温もり、舌が痺れる感覚がして体に力が全く入らない痺れた感覚が収まると身体から温もりが消え肌寒い感覚が戻ってくる。


「あぅぅ……」

「報酬はいただいたわ………それと今回の件はあたしも介入させてもらうわ」


そう言い残し窓から帰ってしまった、ボーッとする頭を降りさっきの事を思い出さないようにした。


「………複雑な気分だ」

『……コゾウ……もっと普通の人間にモテんの……ご愁傷さまなのだ』

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