第3話 扉の向こうで〜伊吹〜
鵬に風を感じ目をユックリ開ける、そこは悲しくなる暗い真っ暗で同時に気持ち悪いくらい安らかな気持ちになる場所。
目の前に光が共に自分の過去がまるで映画の用に写りだす。
「おいおい、ただの嫌がらせかい?」
ボクは暗闇に向かって、呟く用に当然返事はなくただ自分の声が響く。
あの頃は自分が一番だと思っていた、ただ老人達に必要とされていたこと自分を見ていてくれることだけが全てだった。
「まったくボクはクソ野郎………じゃないな、どうでもいいか」
自分の強さ必要性を知らしめる事に一生をかけただ言われた通りに他人の……自分の家族すら殺そうとしていた自分、見ていて唇を噛む唇から血が出るが手で拭った。
《狩崎輝!ボクはお前を認めない!お前よりボクは優れているだぁ!》
《……………》
初めて輝と会った時の映像………学ランを着用しているボクは殺気だった余裕のない表情で輝と向かい会っている。
結果は言うまでも無い、完膚無きまで叩きのめされた……ショックだった自分が一番が今まで一番だと思っていた、でも一撃すら決まらなかった。
《クソ!クソぉ……嘘だ……こんな奴に》
この頃から薄々気付いていた、自分は成長の限界に近づいている事にだから必死になった輝に負けたく無くて、がむしゃらに強くなろうとしたそして椙本彩華に出会った。
そして二度目の闘い、薬の力をかり極限までに高まった力、遂に輝を越えたと思った。
《ボクは!ぼ、ボクは………何でなんだ……クソ!ク……ソ……》
勝てなかった………ボクは結局、勝てなかった信じられなかった、その頃からボクはただひたすらに老人達の為に働いた、ある時、自分は契約鬼に四大戦鬼、社を手に入れた。
そして三度目の闘い。
《……最後だ、もうボクは負けない社がいるかぎり!絶対に!》
《………そうか……縁行けるか?》
輝も四大戦鬼を手に入れていた、それでもボクは負ける気がしなかった、ボクは無敵だった輝を圧倒的な力の差、それでも輝は立ったふらついている癖に意志の強い銀色の双眼………手に持つ銀王を捨てた。
《なんだよ!く、来るなよ!来るなぁー!》
ボクは無抵抗な輝に風の弾丸を浴びせる、傷つき何度も倒れながらもボクに向かってくる、初めてだった……こんなになるまで向かってくる相手はボクには輝が鬼にしか見えない自分が絶対に有利な状況なのに足の震えが止まらない。
《あぁ……来るな……く……》
《もう………やめろ……分かってるだろ………こんな事したって報われない事に……お前の憎しみや憤り、悲しみは、かはぁ!かはぁ……全部……俺が受け止めてやる……お前の力はそんな事に………使っ》
《あ………あたしは……ボクは………》
ボクは言葉が出ない、状況は理解出来る狩崎輝に抱き締められているとおの本人は立ったまま気絶をしているのだ、ボクは……泣いていた。
「………たしかこの後、初めて輝がボクは女だと気付いたんだっけ」
そこでプツリと映像が途切れた。
回りの景色が夜の学校となるボクと輝が在学していた私立の名門だ、ボクと輝が初めて殺し会った場所。
「そんか僕は輝と戦いたいのか……吹っ切れたと思ったのに……なぁ輝?」
「まったくだ……終わったと思ったらお前に呼び出されるとはな」
丁度ドアが出現し、輝が颯双を手にはめてストレッチをする。
ボクは陸絶を取りだし風の防御を展開し陸絶に風の刃を纏わせる。
「こい!約束は守る」
「いくよ!ボクは最高に嬉しい!手加減はしないからな!」
「ああ!」
風の刃は空を切る、隙を作らない用に鎌鼬を乱射する輝も呪眼を発動し本気て戦っている刃を交わし拳から出る蒼光が鎌鼬を相殺させる、突風が吹き荒れ目を細める。
「!」
「次だ!」
間一髪で輝の踵落としを避ける、向かってくる拳を風の幕で軌道を反らすが多少のタイミラグを生むだけだ。
「っ!」
「逃がさない!烈風!舞燕!」
あわてて距離を取ろうと後ろに飛ぶその際に多少鎌鼬がカスリかすり傷が出来る。
「間に合え!」
「やぁぁぁぁあ!」
腕をクロスさせ蒼光を集中させる輝、荒れ狂う爆風を大鎌に纏わせ地面ギリギリから一気に振り上げるボク腕に凄まじい重さと衝撃が走る。
「やぁぁぁぁあ!」
「くっ!がはぁ……」
校舎にぶつかり窓から割れる音が聞こえる。
「まだ!やられてない!行くぞ!」
「ああ!」
額の血を拭き取り、楽しそうに笑う輝は拳を握り直す。
「蒼衝!」
「早い!」
何とか塚で受け止める、反撃に出るが呪眼が最高潮の状態になっている。
人間……いや生き物の領域を越えた反射神経を解放した輝私にはまったく見えない速度のパンチが次々に決まる。
「くそ、ここまでか……でも……只じゃ終らない!」
「あぁ!」
お互いの大技がぶつかり合う。
「白刃疾風!白鳶!」
「破竹!颯乱舞!」
痛いくらいの風の刃と蒼い光、視界が真っ白になる。
「…………」
「起きたか?」
全身が痛い……身体中酷い痣が出来ている。
頭もクラクラするだが………とても清々しい気分だ。
「これを使え………痣が残ると良くない」
「ボクはそんな事、気にしないのに、ご丁重に顔は殴ってないし」
昔なら絶対にこんな気遣いをしない輝、変わった、そしてボクは多分一番変わったのだと思う。輝は慣れない笑みを浮かべ手を差し出すが手は掴まず手首を掴む。
「ありがとう、でもその手はカナメのだよ」
「……………」
「ちょっと…………なに、俗に言うお姫様抱っこしてるのさ?ボクは嬉しくないぞ?」
「なんとなくだよ」
丁度、扉が出現したらしく動けない僕を運び扉をくぐった。