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第28話 クロス逃亡劇3

近いのに遠い、明るいのに暗い、楽しいのに苦しい。

何故かそんな気がする、この街は変だ……いやこれがこの世界のありかたなのかもしれない、隣の男こと自称ロリコンではない隼人は相も変わらず何かをみて表情を変える。


「変だろ?」

「え?」

「この世界の在り方、矛盾に背徳」

「少なくとも、私は」

「そうだよ、幸せに見えるだから不幸なんだよ、不幸が有るから幸せで……」

「人の話を聞きませんね、貴方は」


コイツは何故こんなに、空っぽなのだろうか理解できない私は足掻いて、もがいて、何かが変わることを信じてそれでも変わらない世界に苛立ち、焦りそして絶望したのに。


「いいんだ、これで僕は自分じゃないし」

「意味がわからない」

「最近ね夢を見るんだ、僕は世界を作り替えようとする夢をね……得たいの知れないモノに身体を取られているような」



悪寒が身体に走る。


「いや、いいやこの話しはしたくないしなぁ」

「………あ」


こっちも聞きたくない、聞きたくなかった、安堵の溜め息が出る、隼人が立ち止まったのに合わし背中から目線を外すと目の前に聳える巨木、そして装飾を施す鉄の巨人。


「アレはえぇっと……才藤さん!」

「っ!」




得たいの知れない強大力を感じ身体が強ばる。


「……なに?」

「いんゃ、名前を覚えたから呼んでみただけ」

「そう………その娘……」

「えぇっと、妹」


蛇に睨まれた蛙と言うものか、目の前に存在する少女が怖くてたまらない、なんとか表情には出さないが隼人の服を強く握っていた。

「暇なの?」

「暇……でも、貴方とは一緒にいたくない」

「手厳しいね」

「貴方は見えていない……私達も自分も世界も、幽弥が言っていたお前は危ないと」


ポカンと……いやワザと惚けて見せて、苦笑いを浮かべる。


「忠告ありがと……安心してくれ僕はもうすぐ消えてしまうから、あの狐に言っとけ僕を諦めろってな」


紫の髪を揺らし、目付きが鋭くなる少女方や、何処までもマイペースなこの男はなんの危機感も感じないのか逆に一歩近づく。


「アンタやあの狐が何者なんか僕には興味ないし、関係もない、欲しいなら取りにこい返り討ちにしてやる」

「………安心した、貴方はまだ」


どうみても非力、ただの人間がこんなに強者に見えたのは初めてだ、目のふせ何かを呟くが、あの煩い声が間を割る。


「見つけた!クロス!勝手に出てっちゃダメだよ!勇者さんが心配しているし」

「うぃ〜奏歌久しぶり、ちょうど才藤さんが君に用事があるって、この娘は君の娘かい?なかなか隅におけないなでいつ創った?」

「娘なわけないでしょ!誰との間の子だ!」

「夕夏」

「………なわけないでしょ……全く相変わらず意味がわからないな君は……あれ?」

「アレなら帰りましたよ、ほら」


赤毛チビが動揺している間に駅に向かって歩き出してしまった隼人。


「かってなやつ、咲鬼久しぶり」

「うん」

「知り合いなのですか?」

「友達だよ、帰る?勇者さんが心配してるし」

「一人で帰ります、貴方はあの娘と一緒にいなさい」

意味がわからないと首を傾げる、これだから鈍感はとコーシローに教えてもらったヒザカックンという技を食らわし歩きだした。


「ちょっと!……逃げられた」

「クロスは?」

「勇者さん!輝!逃げられたよ」

「ならば!勇者が777の技が一つ!勇者眼!見つけた、うぉぉぉ!」


カッ目を見開き、人混みに入って行ってしまう勇者さんを見送り、咲鬼から目線を外さない輝。


「危害は加えない、約束する」

「……傀の命令ではないのか?」

「傀は関係ない、私は奏歌と一緒にいたいだけ」


二人の周りだけ重くプレッシャーがかかっているが、輝が颯双をしまい気まずい空気がなくなる。


「泊まりは無しだキチンと返すこと、それが条件だ」

「私達は嘘はつかない約束する」


勝手に話が進むけど、クロスと勇者さんは大丈夫なのだろうか?


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