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第25話 会議

すぐに部屋に戻り着替えをすませる寝巻きを洗濯用のカゴに置き玄関で待つ晃志朗さんに追い付いた。


「急がなくてよかったのに、じゃあ行くか」

「はい」


隣が狩崎の本家だ、3分でつき相変わらずの和風の屋敷にメイドに執事、左右から聞こえる、お帰りなさいませ晃志朗様、奏歌様の声が気恥ずかしい。

長い廊下を暫く歩き襖を開けて中に入る。


「あれ?なんだ?面白そうなイベントやってるな!」

「お帰りなさい晃志朗さん」

「ああ、ただいま梓、それよりこの子はクルツを従えてた子だろ?」



晃志朗さんの大きな背中から横に一歩ずれると両手をギュッと握られ左右の色の違う瞳を梓さんの素敵な笑みから反らそうとしているフロナさんがいた。

何時の間にか晃志朗さんもそれに加わっている。


「で!で!クルツくんの何処が好きなの?」

「あのタレ目とか……じゃなくてですね!私はそんな事を聞かれに来たのでは……う」

「なるほど〜お嬢ちゃんはうちのクルツに興味があるのかぁ〜」


狩崎夫妻の息のあった質問攻めにフロナは冷や汗を流している。

僕自身その手の話は好きなので助けを求める目線をぶつけてくるフロナから目を反らした。


「くっ……此方の世界でいう四面楚歌とゆうやつですか……」

「はいちゃいなさい、相談に乗るわよ〜」

「アレは……アレはただの忠実な人形です、ただそれだけです、もう一度言いますクルツを私に返して頂きたいのです」



クルツの事を人形と言うフロナに少し不満を持ってしまう、でも晃志朗さんも梓さんも表情を崩すことわない。


『コゾウ、心配はいらぬあの小娘の言っている事は偽りの物、執事殿の事を悪く思っておらんよ』

「そっか、良かった」


ヒソヒソと話した僕達にフロナさんは?を浮かべる。

「そうねぇ……クルツくんの事を人間として扱ってあげてほしいの、あの子はどうも自分を大切にしない節があるの、だから貴女がクルツを大切にしてくれるなら、クルツくんを貴女に着けるわ」

「だが、ただと言う訳にもいかん」


晃志朗さんがフロナを見据える、フロナさんはビクッと体を強ばらせ晃志朗さんと対面する。

普段は笑顔を絶やさない人だけどやっぱり輝の父だ、怖い。


「私に出来る事ならなんでも……その…」

「……丁度、家のメイドが1人結婚してな空席があるんだが……時給750円でここで雇われてみないか?」

「は……はい?分かりました、ではここに?住むのですか?」


重苦しい空気が一気に飽和し晃志朗さんはビックリした?と笑顔を見せる。


「違うわよ、鮫島さんの家にお世話になるように言ってあります、クルツの保護者で好い人よ」

「はい、ありがとうございます」

「明日8時からな、必要な物は此方が用意しておくから手ぶらでかまわない」


フロナさんが一礼すると森さんがササッと現れる。

ブンも驚愕の表情を浮かべていた。


「フロナ様、お送りいたしますどうぞ」

「ありがとうございます」

「森さん済まないな、勤務時間は終わってるのに」

「いえいえ、お気になさらず、では」


そしてササッといなくなる、何者なんだ?と思い晃志朗さんに聞いてみるとただの一般人らしい。


「おっと、本題を忘れる所だった後10分か」

「本題?」

「そうそう、この前の戦いの報告と会議な奏歌ちゃんは俺の隣にいればいいよ、伊吹が全部喋ってくれるから」


晃志朗さんと梓さんが立ち上がり、直ぐに後を追う。暫く歩くと黒いスーツに無線らしき物を耳に着けたサングラスの男が二人襖をふさいでいる。


「ご苦労様、そんなに気をはるな禿げるぞ?」

「こ、晃志朗さま!恐いこと言わないでください、梓さま、奏歌さまどうぞ」


どうやら晃志朗さんとSPの人は仲がいいようだ。

頭を軽く下げ、宴会に使うような広さのある和室につく、伊吹はもう席につき待っていてくれた。


「よっ!伊吹、すまんな」

「…………」

「伊吹ちゃん、ご苦労様」

「いえ、奏歌と梓さまのためです」


晃志朗さんを無視し梓さんには笑顔で答える、晃志朗に陰がさすが席に座ると真剣な顔になる。









〜〜〜〜〜クルツ〜〜〜〜

家事をそつなくこなし、庭を掃除しようと箒を出しているとポケットが振るえる数少ない学校の友達かケータイ会社の広告だろうと思いメールを見るとフロナさんを鮫島家で預かるようにとの事だ。


「……まいったっすね」


フロナは自分の所有物であるオレの返還を求めた所を上手く言いくるめられたに違いないと直ぐに分かる、あの夫婦はお節介なのだから。


「塵取りは……よし、今日の分は終わりっすね」

「クルツ、今日は泊まっていくのか?」


丁度、掃除道具を片付け終わったころ輝が顔をだす手には焼き芋の袋を持って。

「今日は家に帰るっす」

「そうか、今日は久しぶりに二人きりだな」

「じゃ、オレは帰るっす」

「待て、ほらやるよそれと明日は土曜だろ、俺達は午前中は授業がある、フロナに屋敷を案内をするように頼む」

「了解っす」

土曜日に学校が無くて良かったとしみじみ思いながら帰る事にした。

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