第21話 VSクロス
素早く着地しハルくんとクルツの居る場所に向かう、ボロボロでも目に強い光を宿すハルくんはクルツの見たことのない大きな傀儡から降りて屈み僕に視線を合わせる。
「痛い所はないか?合ったら治してやるクルツもな」
「大丈夫だよ!ピンピンしてる」
「問題ないっす、白仙翁がいるかぎり敗けはないっす」
話している間に眩しい光が広がりオレンジ色の死線が瓦礫を吹き飛ばす、続いて純白の羽が左右に広がりクロスが浮上した。
「……狩崎奏歌……私を殺せる可能性のある人間、待っていました、殺しあいましょう」
「ふざけるな!僕は殺しあいをしに来たんじゃない!君を止めに来ただけだ!」
「……とんだ、あまちゃんですね!もはや、語るまい!貴重な研究対象ですがオモイデにします!」
クロスが手をかざし振り切ると六対の翼から波紋が広がりマシンガンのように光の球が僕達を襲う!
散会し銀王を展開し攻撃を仕掛ける、砂煙に紛れている僕を援護するためにクルツが白仙翁から大量のミサイルがクロスにヒットするよろけたクロスはたまらず移動をするが移動先にはハルくんが爆炎を放ち翼で防御、その隙に僕はクロスの目の前を取り攻撃をする。
「てぇぇぇい!」
「っ!いつの間に、ですが!」
上手くすり抜けられクロスの腕から純白の鱗で覆われた半透明の腕が出現し殴りかかってくる。
「墜ちなさい!」
「ブン!」
『うむ!』
鋭い爪に−の磁力をかけ、反発力で回避する直ぐに閃光が飛んでくるが銀王で弾き再び距離を縮める。
「このぉぉぉ!」
「そんな攻撃に!」
磁力を纏わせた強烈な攻撃は左右に青い宝石がはめられた棍棒でさばかれ純白の羽の強打を受け地面に叩きつけられる、寸前のところでブンが磁力を纏わせたので対したダメージは残らないクロスは畳み掛けるように閃光を放つ。
「っ!おぉ!三ノ型!蛍火!」
「援護するっす!」
僕を庇うためにハルくんが朱い幕を展開し閃光を防ぎ焔の連続切りふクロスに浴びせるが対したダメージは与えられない、離脱を援護するために白い無数の鎖がクロスを襲うがスピードで振りきられる。
「拍子抜けですね……その程度で私を止める?笑わせないでください!」
「くそ、その余裕なんか俺が燃やしてやる!」
「黙りなさい!」
『春樹!気をつけて!回りに無数のエネルギーが向かって来てるよ!』
「なに?」
切り掛かるのを止め回避に専念するハルくん四方から次々と迫る閃光を避けるので手一杯でクロスの一撃がまともにヒットする!
「ぐっう……がぁ!」
「消えなさい!」
「させるか!雷桜閃花!!」
「鬼雷砲!」
棍棒で横に吹き飛ばすクロスに上空からしかける、さっきの四方から来る攻撃はクルツが白仙翁から放たれた雷撃で相殺してくれる。
「はぁぁぁ!」
クロスは寸前のところで体を反らし翼にヒットする、しまった!と想ったが初めてふらつき崩さなかった表情が苦痛に歪む。
予想外の出来事に動揺した為に残った三枚の翼で打ち付けられる。
「うっ!効いたのか?!」『うむ!好機なのだ!』
「……何ですかその攻撃は?力が抜けた?……!!」
「もらったぁ!」
屈んだクロスがゆっくり立ち上がり翼が途切れた部分が再び修正したが間髪いれずに攻撃を仕掛ける、悔しいけど実力の差は明らかなら油断をつくぐらいしか勝てる確率がないのだ。
「銀吹雪!」
「その程度!」
「今だハルくん!」
「任せろ!六ノ型!日輪!」
銀吹雪は直ぐにクロスの死線にかきけされるがそれはオトリで本命はハルくんの斬撃だ、高熱の回転切りはクロスに多段ヒットし壁に叩きつける、追い討ちにクルツが白仙翁を操り四本の腕から赤黒い電撃を放つアームをお見舞いし陥没する。
「勝ったか?」
『……まだだ!逃げろ!コゾウ!』
今までの死線より早く凄まじい威力で放ってくる谷が崩れ自分の城に直撃する城は半分が綺麗さっぱり消え去っている、続いてさっきより透明度がなくハッキリしてきた羽がまるでハサミのように六対、左右から迫る。
「失礼、貴方達のような人間でもこのクライの闘いは出来るのですね……ふふ、バルクスとセイ以来ですよ!」
「っつ……首が飛ぶかと思った……あ……笑ってる」『チビで良かったの』
「うっさいな!その内……そんなことより!」
クスクス笑うクロスは驚くことに無傷だ、ハルくんは驚愕の表情でレイさんを構える。
クルツに至っては、仕切りに回りを警戒している。
「ふふ、滅ぼすのになんの抵抗をしないのは寂しい、わざわざ来させて正解でした!」
「な?!レイ!ばがぁ……かはぁ……何が……うぉ」『春樹?!春樹!』
何が起きたんだ?!なんでハルくんが血だるまになってるんだ?
「さて……まず一つ、来なさい愚かな兵器」
「いってくれるっす!白仙翁!」
「愚かね!」
「白仙翁は伊達じゃないっす!」
白仙翁から様々な武器が展開し白兵戦が展開する、クロスは微かに笑みを浮かべ斬り込む、六対の翼が鋭くなり大きな日本刀の先のようだヒュンという音とともに白仙翁が吹き飛びズタズタになる。
「っ!そんなバカな!」
「なかなか頑丈ですね……消えなさい」
「まだだ!凍てつく吐息!!」
クルツが両腕を同時につきだすすると大量の氷柱がどしゃ降りの豪雨のように降り注ぐ。
「ふふ、必死ですね」
「はぁはぁ…ぐっ、ひとなぎで……く!」
クルツが倒れ僕と一対一になる。
ハルくんもクルツも息はしている死んではないようだ、二人の様子をちらりとみると左右から風を切る音が響き僕の後ろに聳えていた谷が完全に消滅し森が荒野とかしている。
「そんなさっきのとは比べ物にならない威力じゃないか」
『馬鹿者!ボケッとするな!』
「っ!はぁ!」
「…その程度ですか?くっ……また」
「今だ!散桜封季!!」
クロスがぐつく隙を逃さず腹部にクリーンヒットするまさかのチャンスはあっさりと訪れた!
銀王の光が桜のように散りクロスの力を奪う、そして銀王のトリガーを引いた。