第20話 白い傀儡と赤き剱
最近は暇な時間がメッキリ減りましたが!完結はさせるので見棄てないで(T-T)。
雷の巨人の攻撃を交わし、氷の槍で貫くが何事も無かったかの用に向かってくる力を酷使し続けている俺の体はガタが来ている、俺より肉体を強化され能力を無理矢理出しているトレイスも長くはないだろう。
「はぁはぁはぁ、くっ!」
「くそぉぉぉ!思い通りになってたまるかよ!」
強烈な拳を受け吹っ飛ぶのをトレイスが受け止め熱線を食らわすが亡霊たちの勢いはまだまだ衰えない、ケイトも肉体崩壊は進んでは居ないが傷口の修復が思わしくないのだ。
「くっ!リガンは数で押しきる戦いしかしらないっすか?!」
「うぉぉぉぉ!ジャンク!弱音を吐くな!」
「っ!うぉ!ジャンクじゃないっす!」
さっきから人を不良品と連呼するのが気に食わないがその怒りを亡霊にぶつける。
「いくっすよ!−400℃の冷気っす!無慈悲なる氷の刃!!」
俺を中心に煌めく氷の竜巻が発生し、氷の美しい刃が亡霊達を一掃する雷の巨人も完全に消え回りは氷河がゴロゴロと転がる。
「はぁはぁはぁ、無理をし過ぎたっすね」
服に着いた氷を払い、ケイトに駆け寄る傷は大分塞がってきているのでひと安心だ。
「バカ!ジャンク!避けろ!」
「えっ?!ガフ……ケイト?」
トレイスの忠告よりも早く左の胸に風穴があく、視界が霞み手で押さえても血がドボドボと溢れる。
「………KR3、直ちに任務の完遂を実行する」
「っ!野郎!ケイトに直接データを入れやがった!」
感情のないケイトが俺から手を引き抜く、なまじ力がありすぎると楽には死ねないものだ何とか氷を生成すると傷を塞ぐ。
「ケイト!目を覚ませ!」
「KR3、ロードの護衛を速やかに実行する、来なさい」
目が緑色に光とトレイスが頭を抑え苦しみだす、呆然とその光景を見ているとトレイスも生気の宿らないただの人形になった。
「……肯定、任務を完遂する」
「うっ…ケイトとトレイス……」
必死に意識を保ち二人を追いかけようと立ち上がるが動けないそのまま拳を痛いほど握りしめる、耳にはいるのは爆音と瓦礫の崩れる音、そして此方に向かってくる気配。
「っ!お迎えにはまだ早いっすね」
「クルツ!!無事か!」
「春樹様……」
「様はやめろ!ちょっと待ってろ、レイ」
『ほい!』
俺を白い炎が包み傷と疲れが引いていく、春樹は溜め息を付きせよっていた木箱を俺の目の前に置き直ぐ様走りだそうとする。
「クルツ、なんだか分かってるかもしれんがお前の弟に頼まれた物だ」
「……でも」
「俺はいくぞ!」
そう言って走り去ってしまった。その姿を見送り俺は深い溜め息をつく、鮫島の名前を捨てた自分にこの傀儡を使う権利はあるのか、伶哉と共に造り上げた傑作機なのだ。
「……まだ、伶哉は俺を兄貴と呼んでくれそうっすねまた闘ってくれ玲司……」
正直、氷を生成する事で一杯一杯の状態だこの好意を素直に受け取り箱をあけるメタリックな銀の曲線に三本の角、左右に三つずつある目そして白き衣をまといしは最強の傀儡人形。
「いくっすよ!白仙翁!」
黒衣の賢者の二倍はある大きさだがそのスピードはザっと三倍そして総合的なスペックは四倍を誇る、その機体が優雅に浮き俺を背中に乗せてくれる“起源石”と言う効果な魔石のお陰で直ぐにクロスの元にたどりつけそうだ。
〜〜〜〜〜輝〜〜〜〜〜〜
敵の目的は俺達の足留め、力で敵わないなら数だのみそんな闘い方に苦戦をしいれられ、そろそろ限界と言うものがある戦闘を重ねる度にその戦闘力が増すエミティ・ドールにタイプ・デーモンの数、伊吹や俺はともかく夕夏やフロナが限界だろうグレイさんもあの司令官と闘うので手一杯だ。
「奏歌が危ないと言うのに!どけぇ!!」
「…熱くなるな伊吹!くそ!夕夏!出せるだけ重力を一点に集中してくれ!」
「はぁ…はぁ、ま、任せて!」
夕夏が集中したのを確認しフロナが周りの敵を近づけさせないようにダカーをふり牽制しだす、やがて重力の波が中心に淀みを造り上げた。
そして目をゆっくりとあけ夕夏は破紋を地面に叩き着けるそれに合わせ、俺も力を叩き込む!
「光になれぇぇ!黒紋天外!」
「鬼麗閃!!」
青と黒の力を中心に敵が消滅していく、それは文字どうり重力と蒼光に押し潰され光になっていくようだ。
「……まだ半分は残っているな……なんだ?」
「敵が引いていく?どうなってるのよ?」
何かの力に導かれたかのように森林地帯を一世に見つめる、するとその方向に向かって一斉に移動を始めるドール達エミティが慌てている様子から見るに予定外の出来事なのだろう。
「ま!まてドール共!ぎやっ?!」
「…………任務、任務、任務」
止めに入ったエミティが殺された、どうなっているんだ?
「輝!いくぞ!ボクはこいつらの相手は飽きた!」
「……そうだな…夕夏動けるか?」
「ん、大丈夫よ有り難うフロナちゃん」
「いえ、皆さん私は穏健派の様子を見てきますクルツをクロス様をお願いします」
「フロナ殿オレとベヘモットも行こう」
フロナとグレイが地下に向かって行ったのを見送り伊吹の風で奏歌の元に向かった。
〜〜〜〜〜春樹〜〜〜〜〜
「うぉぉ!烈火斬・一ノ型!小春火!!」
「……!…なかなか!でも、私を相手にするには、貴方はまだ…未熟!」
「んな!解りきったことだぁ!どうでもいいんだよ!四ノ型!篝火!」
「さっきから小賢しい真似を!そんな数千年も前の魔剱をもち出しても!効きませんよ!さっさとオモイデになりなさい!」
「断る!防御だ!」
『ダメ!春樹避けて!』
レイが忠告してくれていなければ跡形も無く消し飛んでいただろう、なぜなら谷に綺麗なトンネルがポッカリ空いてるしまっているのだ。
「……冗談…だろ…!」
「言ったでしょ…オモイデになるんですよ……手加減はしません!八千年前に私を殺した魔剱ならば尚更!」
「ない?!ぅおおぉぉぁ!!」
オレンジの閃光がさっきよりスピードを増し地面に底が見えないくらいの穴が大量にできる……勇者はこんな化け物相手に一人奮闘していたのか……!
『春樹!気持ちで負けちゃだめだよ!私はクロスに一回勝ってるんだから!バルクスにも春樹なら勝てるって言われたでしょ!』
「あ、ああ!そうだな!」
扉の向こうで出会った過去の勇者バルクス・コントとの特訓そしてレイを作った最高の鍜冶師クーフゥー・リンの為にも代わりにクロスを止めなくてはいけないのだ!
「敗けられねぇ!奏歌達が来るまで倒れられるか!うぉぉ・二ノ型!漁火!!」
「懲りないですね!」
次々に降り注ぐ死の光を掻い潜り懐に潜り込む!
そして最高の一撃を加える!
「終ノ型!鬼火!!」
「!!炎驤の掟?!ですが!」
「!!」
決まったはずの焔の束縛は瞬く間にかき消され落下する俺に攻撃の照準がされている、ヤバいと腕をクロスさせるが優しい銀色の閃光と見馴れた赤髪がクロスをぶっ飛ばした、直ぐに硬い地面があるのになかなか落下しないと思ったら白い腕に捕まれている見上げるとクルツが今までで一番生気のある顔をしていた。
「春くん!クルツ!反撃だ!」
「おう!」
「了解っす!」