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第1話 扉の向こうで〜奏歌〜

う〜ん、ここは何処だ?

風が気持ちいいなぁ〜、このまま二度寝に………。


「……って、寝てる場合じゃ!」

『むおぅ!』


ガバッと勢い良く起き上がる、お腹の上に乗っていたブンも転がり落ちて地面に衝突する。


「……僕、小さくなってる?!ここ小学校?」

『むむ!コゾウが子供になっておる!』


ブンが衝撃を受けてるが、僕は気にならない。

懐かしいけど、あんまり良い思い出はないな……いじめられっ子の定めだよね。

「ソウちゃぁぁあ〜〜ん、お金貸して〜〜」

「ふぉ?!」

『むぐ!』


突然のタックルに小さな体では耐えきれずブンを押し潰す形で倒れる。


「お、お姉さん?!」

『むぉ〜は、早くどくのだ〜』



ほうずりをされるのは悪い気分では無いがブンの命が危ないのであらんかぎりの力で姉さんを避ける。


「ソウちゃぁぁあ〜〜ん!」

「危ないって!あぁ!ちょ」


僕の体は小学校3年生あたりだろうこの当時の姉さんは中二だ、身体能力で勝てるはずもなく今まで勝ったことすらない。

この超絶ブラコンをどうにかしないととジタバタするがすんなり離してくれたのでホッとする。


「はいはい〜注目ですよ〜貴方の課題は銀王に頼らず私に勝つことよ〜〜」

「えぇ!いくら何でも普通の姉さんに位なら勝てる自信は」


バン!……ガラガラ。


姉さんが笑顔のままでコンクリートの壁を叩く、拳を中心に蜘蛛の巣の用な亀裂が走り丸い穴が空く。


「ふふぅ〜驚いた〜姿は貴方が一番苦手としてる人物にしてるけど私は強いよ〜」

「……ブン……逃げるよ!」

『合点承知!』


ドアを蹴破り、全速力で走る姉さんの笑い声にここまで恐怖するのは久しぶりだ。

何度か後ろを見るけど追ってこない取り敢えず図書室に逃げ込む。

荒い息を何とか落ち着かせ座り込み休憩をする。


「ぜっっったぃ!無理だよ銀王なしで闘ったら死んじゃうよ!」

『うむむ!しかし勝たねば合格できんのだ!何か対策を』


何もせずに脅えるのは辛いのでリュックを漁る。

カン●リーマームにポッ●ー、ベビー●ターにチョコボ●ル…………お菓子ばっかりだ。

ガックリと肩を落とすがカントリーマ●ムを一つ食べてリュックを漁る。

式神セットと煙幕玉と水鉄砲………なぜ水鉄砲?


『取り敢えず式神セットが有るのは助かりなのだ』

「よし作戦会議だ!」


ブンとあれこれ話し合い、家庭科室を目指すことにする。

家庭科室は二階だ、扉を三センチほど開け目だけをキョロキョロさせる………姉さんは居ないみたいだ、リュックを背負い直しブンも収納するポケットに何枚かお札を入れて飛び出した、と思ったら柔らかいものにぶつかる。


「み〜つけったぁ!」

「ひぃぁぁぁぃぃ!っと見せ掛けて!ゴメン!」

『しゃ〜』

「いったたた!ちょ、きゃ?!」


居る事は知っていたので、わざとぶつかりコモノくん(いつぞやの青いトカゲ)を召喚し姉さんの顔に張り付かせる視界が遮られたと同時にスカートを捲りその間から抜け出す。


『成功なのだ!撤退!撤退ぃ!』

「ら、ラジャー!」


一気に階段を登りきり家庭科室に入る、卵をレンジでチンして砂糖を探す、胡椒を確保し冷凍庫に手をかけた瞬間に姉さんが現れる。

『ガメネ、今なのだ』

[にゅ〜〜]


僕が予め召喚していた芋虫のガメネ、背中の眼鏡の用な模様が特徴だ。

ガメネの口から糸が発射され見事に姉さんが転ける。

「いった〜〜い、ソウちゃぁぁあ〜〜〜〜ん………泣かす!」

「ひっ!」


姉さんのドスが聞いた声にビビりまくる、ブンを頭に乗せ脱出を図る、長年の経験から姉さんは直ぐにキレる。


「ソウちゃん覚悟!」

「こんなところで!ぼくゎ!」


長いリーチで頭を捕まれるが胡椒を振り掛ける。

ちなみに僕はマスクを装着済みだ。


「はっくっしゅん」

「脱出!ピー助!装着!」[ぴー!!]


コウモリのぴー助を背中に装備重さ的に飛ないので架空時間を長くしユックリと地面に降り立つ。


「危な………って火事?!」

『まさか入れっぱなしの卵とレンジが壊れたのか?』

「なんとなくガス臭かったような」

急いで階段を登り、扉を勢い良く開ける。

家庭科室の中は僕が仕掛けたトラップでメチャクチャになっている、ついでに姉さんはすべてのトラップに引っ掛かり顔がクリームまみれになっていた。


「やってくれたわね!………ん?」


姉さんがお玉を取り向かって来ようとしたがお玉の先に糸が通っている、その糸を目で追ってちょうど真上を向いた時にタライが三連撃で顔面に決まった。


「…不覚……ガク」

「取り敢えず元栓、よし」『勝ったのか?』


ガスの元栓を閉め、窓を全開にし空気を入れ換えたるブンは冷や汗を滴ながらしゃもじで顔をつつく。

因みに僕はドア付近で待機だ。

ブンが其処らにあるビニール紐で縛り姉さんがみのむし見たいになる。


「お〜け〜、負けた」

「わっ!ビックリした……ってどちらさん?」


片付けに集中し、床にモップをかけている時に野太い声に爆発した頭を揺らしながら器用に立ち上がる。


「このボンバー里中さんを倒すとは!」

「………」

「ごめんだからそんな冷たい目で見ないで」


僕の冷やかな目で撃沈したアフロ男はまた光、白いワンピースを着たお姉さんになる。


「おーい、どーした?」

「いえ、本当に合格なんですか?てか、強くなる用な事はしてないけど」

『確かに逃げてばかりだったのだ』


「あったり前よぉ〜だって君バカでしょ?」

「はぅ!………ひ、否定出来ない」

『……………』


ブンが呆れた顔で僕を見上げる、お姉さんもみのむしのままで足がプルプル震えてきてる。


「君の本当の課題は頭を使うことよ、君は真っ向からばか正直に闘ってばっかでしょ?」

『確かに………返り討ちにあってるような』

「言われて見れば」

「もっとこうフェイントを入れてみるとか、難しい状況を正確に抜けるのはカンや運だけじやね」

『なるほど、技術と知識のアップを図った課題なのか』

「そうそう、因みに君が教わったブーストあれ嘘だからね、君が本気になればあれだけの攻撃が出来るってこと〜」

「……嘘?!……まぁ、いいですけど」


一通りの説明と課題の成果を理解し、お姉さんにお礼を言う、お姉さんが指を鳴らすと扉が現れ光が盛れる。


「はいお疲れ様〜またのご利用を〜強制送還!」


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