第15話 VSラッセル
帰宅ラッシュに巻き込まれ撃沈……する前にどぞ!
「よぉ、オリジナル結果は聞くまでもねぇな」
「…………」
「あんたはどうするよ?まだ旧式の勧誘するきか?」
「………ジャマするき」
「いや、手伝うよ」
男はやれやれといった様子でケイトを立たせて氷を払ってやる。
「ほれ、これ」
「ええ、わかってるわ」
「んじゃ、プロトタイプの確保と行きますか!」
〜〜〜〜〜フロナ〜〜〜〜
目の前にいる男、シン・アルフィードと対峙しダガーを構える、シンは笑みを絶さず足元に影が渦巻く。
「酷いっすね〜そんなに恐がらなくてもいいっすよ」
「黙りなさい、私がその程度で動揺すると思って」
薄暗い空間の中でフロナの声が児玉する、シンは笑うのを止めどす黒い目を耀かせニタリと嘲笑う。
「ふむ、ならば演技は要りませんね、早急に死んでください!」
「…!」
影が揺らぎ幾つも枝分かれし向かってくる、まるで大量の矢が降ってくる様な光景、戦場が一瞬フラッシュバックする。
思考を無理矢理切り替えてディノの形見のダガーを一つは逆手にそしてもう一本をその刀身に添えるようにして構えるその形は十字架のようにクロスし、周りに煙が拡がりフロナを囲む。
「ディノ、貴方の能力を借ります!」
修行で習得した技の一つ、ディノの高速化を腕限定で発動した。
影の槍が煙に突入した瞬間爆発が起きた。
「何?!っ!」
「はぁ!」
シンの視界は一瞬光に包まれ熱風と瓦礫が向かってくるそれに紛れ憎しみに輝くオッドアイと真っ赤に染まった二対のダガーが自分の首に迫った。
「危なかった……フロナぁ強くなったね」
「!!はぁぁぁ!」
続いて第二撃の攻撃を仕掛けるフロナにシンは焦りを抱いていた。
(冗談じゃありません!こんな小娘に殺されてたまりますか!)
「気づいているわ!貴方はシンじゃない!」
距離を取ったシンを睨み付け地面にダガーを突き立てる。
「ぐっ!俺が押されてる?!」
「死になさい!」
地面から大量のニードルが突きだしシンを襲う、シンは咄嗟に影の手を作り支える。
「……やってくれますねぇ……気丈になられたなフロナ嬢」
シンの姿が溶け渋いオジサンになる、さらに手を前に出すと斧に変化した。
「ラッセル・シナ」
「ふむ、来なさい俺も貴方のお父上の命で来ております、手加減はできませぬ!」
顎をひとなでし、柔らかな雰囲気からピリピリと殺気をかけられ一瞬、斧から放たれた衝撃波が襲う咄嗟に爆発を起こし高く飛びダガーを二本逆手にふりおろす。
「なんと!」
「やぁぁ!」
驚きと歓喜の交じった声を上げて避ける、追撃で土のニードルを仕掛けるが斧が楯になりすべて防がれる。
「ふむ!楽しませてくれる!」
「っ!拒む霧!!」
楯が鎖に変わり先に着いた刃が一直線に向かってくる咄嗟に拒む霧を発動する。
「ふむ……消えた?」
「!!」
「ふむ!バレバレですよ!感情を剥き出しすぎだ!」
完璧に捉えたと思った攻撃を背から生えた腕にダガーが捕まれそのまま腕を両断する、骨の折れる音とかかる血飛沫が腕を濡らしムッとする匂いと生暖かい深紅の体液が飛び散る。
「その油断が命取りです!」
「っ!しまった?!」
断ち切ったはずの腕が再生しまた二本の腕になる、避けようとしたがディノの高速化より速く足を捕まれ投げられる。
「ブルァァァァ!!」
「っ!」
空中の無防備な状態で全身に棘を生やしたラッセルが突っ込んでくる。
「まだ!」
「かわされた!」
タイミングを合わせ爆発を起こし瓦礫に紛れそれを踏み台に高速化、腹部を深く切りつけようとダガーを突き立てる。
ラッセルは腕を横に振り指を針にし飛ばしてくる、咄嗟に避けようと右にステップする!
「ふむ、目の良さが命取りだぁ!」
「っああぁぁ?!阻む城壁!」
空気が圧縮、そして破裂しラッセルは勢い良くぶっ飛ぶ肩に刺さった爪は肩から千切れて血が脚を塗らす。歯を食い縛り腕を抜き地面に捨てると泥々の塊になりラッセルの元に戻りくっつく。
(まずい……血が足りない)
なんとか止血をしふらつく足に力を入れる。
ラッセルは全身から血を流しそれでも楽しんでいるかの用に向かってくる。
「強くなられた……指南役のラッセル感激です、さぁ勝敗は決しました、どうか屋敷におもどりください」
「断ります!」
「ふむ、聞き分けの無いかただ!では!ギリギリまで痛めつけさせてもらいます!」
腕をハンマーに攻撃し、それを避けるとすかさず腹部をから槍が突き出てくる、腕にかすり傷口が熱く痛むが更なる攻撃がせまる、高速化でそれを回避するが鉄球が迫るダガーで防御をするが威力が有りすぎて壁に背からぶつかる、落下のスピードを緩めるためダガーを壁に差し肩が鋭い刃とかしたラッセルの周りに大爆発が起きる。
「倍返しよ!」
「がぁ!」
力なく落下するラッセルを見るまもなく再びダガーを壁に刺しゆっくりと着地するディノの高速化を連続で使ったためまともに立てない。
「はあはあ……っ!そんな」
「ふむ、今のは危なかったですね」
黒焦げのラッセルはそれでも確りとした足取りで近づいて来る。
「さぁ、クロス様に逆らうような真似はよして返りましょう」
「っ……なさ………ク……よ!」
「フロナ嬢?」「助けて……クルツ!」
「ぐがぁ?!」
「はい、分かりましたっす」
「………クルツ」
ラッセルは氷ずけになった腕を振りクルツに攻撃を仕掛けるが軽く受け止め左手をラッセルの顔をがっしりと掴む。
「っ!化け物め!」
「……氷柱の棺桶」
「ぬぉぉぉお?!」
凍てつく冷気が回りを銀世界に変えラッセルは幾つもの氷柱に体を貫かれ巨大な氷の棺桶に閉じ込められた。
「………フロナ?」
「……クルツ礼を言うわ、先に進みます奏歌さんに追い付かないと……だから」
「?了解っす」
クルツに背負ってもらい奏歌の援護えと向かった。