第14話 譲れない想いを
呆然とし力が抜けてしまう冷気も解除されナイフが溶けて水になる、体が震えてケイトを見れない。
「う、嘘っすよ……だって俺はお前なんて」
「…そうね……でも、わたしは貴方、そして貴方もわたしよ」
ケイトはその綺麗な指で俺の鵬をまたなぞる、不思議と安心してしまうのが怖くて離れようと後ずさるが腕を捕まれ抱き締められる。
「……っ!離れて!くれ……っす」
「行かないでよKR2……いえクルツ!せっかく欠片に会えたのに……わたしと一緒に行こう……わたしは貴方の苦しみを解ってあげられるわ」
懐かしい温もり、でも知らない温もりを体に感じ心に感じ心が安らぐ。
「…ごめんっす、それでも守りたい人がいるんすよ……だから」
「……ダメよ……あのオッドアイの子は貴方を道具にしか見てないのよ?!」
優しい微笑みは消え変わりに悲しい目をした表情に変わる俺と同じ顔を持つのに凄く愛しく思う。
でも違う、同じでも心は、思いはやっぱり違うと思う。
「確かに、ケイトの提案は魅力的すぎるっす……でも……俺は、諦めるとか、逃げるって選択はしたくないっす」
「……クルツ、騙さて!」
俺はケイトを確り見据え離れる、ケイトは下を向き沈黙してしまう。
「俺はいくっす……じゃ」
「……!!あぁー!!」
「っ!」
ケイトの体から雷撃がほとばしり木々を大地を破壊していく、氷で防御を展開し向かう電撃を相殺させる。
「クルツ!クルツ……そばにいてよ!」
「ぐっ……やめるっす!そんなに力を解放したら身体が持たないっす!」
「うぁぁぁあ!!」
雷撃が激しさをまし一転に集中したかと思うと爆雷の砲撃が発射される部屋は破壊され奏歌達が向かった道に続く扉が壊れ戦闘をしていた奏歌達に向かう。
「フロナ!!奏歌!!」
奏歌は気付き、フロナを庇い防御を展開、回りの敵は一掃されてしまった、防御を解放した奏歌はすぐさま先に進んで行った。
「……ふぅ…こりゃ、カナメ様や伊吹様より厄介な相手っすね……ケイト!」
「クルツ!!」
数えきれないぐらいの電撃が飛び地面をこがす、時間が無い、人体を弄られたその能力は威力を追求しすぎている、自分の能力に傷付くことは目に見えている薬を服用しなければ回復が間に合わないほどに。
「すこし我慢して欲しいっす!リミット・アウト……」
今のケイトと同じ全力開放、冷気で自分の身体が凍てつく、ありったけの意識と冷気、そして想いを込めて纏う雷撃を相殺する。
「あぁ……そんな、負けた」
「はぁはぁはぁケイト約束っす、必ずそばにいるっすだから待ってて欲しいっす」
俺は上着を脱ぎ気絶しているケイトにかけてやり奏歌達の後を追った。
〜〜〜〜〜奏歌〜〜〜〜〜
「はぁ!」
「…!」
さっきの雷撃で道に待機していたエミティは壊滅状態だまだ余力のあるものは向かって来るが大抵は悔しそうに僕らを睨み付ける。
そして一際頑丈そうな扉が目の前に現れる。
「黙視する千の眼……奏歌さん、私がお相手します恐らくクロスはこの先に」
「わかった!ブン!」
『うむ!』
フロナさんが指をさした方に銀吹雪を放ち先に進む、小さい雲が誘導してくれてサイレント・アイズの近道を適格にたどった。
〜〜〜〜〜フロナ〜〜〜〜
「……シン……じゃないわ貴方は誰?」
「何言ってるんすか!フロナ〜おれっすシンっす!」
目の前にいる青年、私たちの親であり兄であり親友であり隊長だった男、シン・アルフィードが立っていた。