第12話 フェイズ1終了
霧はあたしの体を取り巻き鬼狂はあたしに身を委ねてくれる。
「30秒でいいわ!全力解放をお願い」
《イイノカ?京ノ、ダンナモイナイゾ?》
「良いから!早くケリをつけるわよ」
霧が濃くなり、ひんやりとした空気が当たりに立ち込める、耐えきれないような力が溢れてくる、四大戦鬼の京と言う相棒が居ないいま、30秒が限界だろう。
「くくく!いいぞ!心地好い殺気だ!」
「……鬼狂、いける?」《オウ、ノマレルナヨ?》
破紋を水平に構える、黒い霧がそれを包み破紋の刃が左右に別れた。
「破砕撃・霞王!!」
「うぉぉお!」
ガンドールの鋼鉄の爪が振り下ろされる、拳の拳圧により生まれた空気の塊が向かってくる、だがその拳が当たることは無く宙に飛ぶ血が吹き出しそれを呆然と見るガンドール。
「グァ……く…くく…!ここまでか……」
「はぁぁぁぁ!」
高速の突進、を繰り返し塚の中央を持ち振り回す厚い胸板が切り刻まれ身体を朱に染める、更に蹴り上げて繰り出した神速の突きと獲物を喰らわんと迫る重力により潰され跡形も無くなった。
「うっ……あぁ…はあはあ、鬼狂ありがと」
《アア、ダイジョウブカ?ヤハリ、キキョウガ、イテハ、ツライダケダ》
「……ダメよ、まだ力を貸してくれなきゃ、ほら戻って」
黒い霧のバケモノは目を細めヤレヤレといった感じで戻っていった。〜〜〜〜〜クロス〜〜〜〜
「リガン侵入者の始末はまだ終らないのですか?」
「いえ…その、予想外に敵が強く……」
(くっ……なんて奴らだ!これじゃ、計画が狂う!)
上空から純白の羽を広げ、様子を訪ねる少女をリガンはデーモンの背中に乗り状況の説明を必死にしている少女は微かに動かす顔には焦りという感情は微塵も出ていない。
「まぁいいです、六将を出しなさい、セイ・コントと狩崎奏歌この二名以外削除しなさい」
「はっ、ただちに」
(小娘め!今に見ていろ……だが、何物なんだあの少年はセイ・コントと同格の強さ、クソ!予想外だ!)
〜〜〜〜〜輝〜〜〜〜〜〜
「……百二!」
「うぉぉお!!必ぃぃぃ殺!!勇者一閃!」
何体倒しても沸いてくるデーモンを着実に倒していく此だけの数を二人で抑えるのは正直キツい、暫く書類整備やカナメの手伝って体を動かさなかったのがツライところだ本調子が出ない。
「一掃する援護を頼む」
「おう!旋風!龍共鳴!!」
向かってきたエミティとデーモンがぶっ飛び、俺は弓を射つような体勢に成り腕を引く、颯双から淡い蒼光が一本の矢の用な形状になり矢が巨大化する。
さらに左手を中心に光が分かれる、それは蝶の羽の用な模様を描く。
「蒼弓・雷火霜天!!」
左手を上に向け、右腕を一気につきだす蒼光の矢が天に昇り別れエミティ達に降り注ぐ、それはまるで流星の用で綺麗だ。直ぐにデーモンやエミティの断末魔が響き、俺の呪眼に怨念が呑まれていく呪眼は力を増し激しい頭痛と目眩にふらつくが頭を降り直ぐに残りを倒しに行く。
「ふん!せい!そぉぉりゃぁ!二百!」
「たいぶ減ったな……豪閃撃!!」
渦を巻く閃光を地面に叩き付け周りのエミティが吹っ飛ぶ、さらにデーモンの腕を掴みハンマーのようにぶん投げ鬼謳撃で纏めて消し去った。
消滅を確認し腰の通信機から連絡が着ているのに気付く。
<聴こえる輝?任務完了よフェイズ2に移行できる?>
「ああ!先に向かってくれ伊吹は?」
<敵を押さえてる、あっ今来たわ!それじゃ!>
報告を聴いて安心する、奏歌には余計な事を言わずに行かせたが正直クルツだけじゃキビシイ、俺もフェイズ2に移行するため再び攻撃を仕掛けようとするが地面から鋼鉄の腕が飛び出てくる。
「!!」
「………」
大きく後ろに飛び距離をとる次の瞬間地面が吹き飛びバラの様な形をした巨大な機械とその中央に沢山のコードで繋がれている人間が出てくる。
「………こんな物まで!……破壊する!」
「もらった!なに?!」
「……気付いている!」
仕掛けると見せ掛け左にジャンプし回し蹴りをする、勝ち誇った顔をした糸目の優男は顔を歪めボーガンで蹴りを受け止める。
「っ!六将!!さっさと殺れ!」
慌てて糸目が距離をとりボーガンを発射してくる、刺さった箇所に渦が広がり腕が伸び俺を捕らえようと向かってくるが軽くステップし蹴散らす。
「くっ!ノーデータの雑魚の癖に!このリガン様の邪魔をしやがって!六将!」
「無駄だ!」
棘の着いた触手が俺の目の前に降り注ぐが間を縫うように移動し一本をへし折る。
リガンはいつの間にか姿を消し俺は六将に向き合い構える、セイ・コントが雑魚を掃除してくれて助かる。
「………」
「来るか……こい!」
中心の人間が腕を動かすと触手の針がミサイルの如く向かってくる、鬼謳撃で正面の道を開けるが地面から触手が突き出て攻撃を仕掛けてくるミサイルの第二波が迫るが降り下ろされる鋼鉄の拳を避けてかけのぼるそのまま体をひねり三回転し着地、六将に直撃するが効いていない。
「通じないなら、本体の破壊だ!」
地面を叩き瓦礫が空を舞うそれを土台に高速で移動真上に来る、閃豪撃が繰り出される前に緑色の液がバラの花から飛び出る、直ぐ様蒼輝を集中し防御する地面に当たったそれはジューっという音と共に地面を腐敗させた。
「危なかった、だが!射程内だ!決める……飛翔一刃!」
手の蒼輝を強め巨大な一本の剣に成り切り裂く、機械は砕け粉砕される、恐らく生体ユニットであろう人間も消滅しポッカリと穴が空いた。
「うぉぉ!勇者!彗星切りぃぃぃぃ!成敗!」
丁度残りを蹴散らし増援も少なくなってきた、引き際が肝心だ。
「セイ・コント!役割は終えたフェイズ2に移行だ!」
「おう!わかった!」