#6 無双?いいえ、最弱と書いて最強です
ぱちぱちぱち。
『いやぁ、面白い回答を見たよ』
「あ、クドゥーさん」
扉の先には宝箱と、その上にクドゥーさんが座っていた。
『改めまして。クドゥーこと、CDO開発チームリーダーの〈宮藤 陸〉です。以後、お見知り置きを』
「あ、こちらこそ。久城 響です」
クドゥーさん改め、宮藤さんが頭を下げたのでそれに応じる。
『ん?響君?登録ネームと違うようだが、触れない方がいいかい?』
「…出来れば」
どのみち翔や真美菜には後で聞かれるだろうから、読書の皆様にはその時に。
『OK、響君。いやしかし、面白いね君は。最後まで二択を取らないのだから。最後の質問は僕が直前に書き換えたけど、いやまさか沈黙で二択を逃れるとはね。ははっ。失礼。ふふふ…』
そのあと色々と宮藤さんの愚痴を聞いた。
いや、聞かされた。
理不尽な上司、奥さんの態度が冷たい、言う事を聞かない部下、娘さんが相手をしてくれない…ect
『…ふぅ、悪いね。愚痴を聞かせてしまって』
「いえ、大丈夫です。問題ありません。慣れてますから」
『…ふふ。さりげないフラグ建設…やっぱり君は面白い!』
なにいってんのこの人。
フラグってなんだそれ。
『さて、随分と話てしまったがそろそろシークレットルートの報酬を渡そう』
【サポートエッグを入手しました】
『それは君の、サポートパートナーになる召喚獣の卵だよ。君に適応したパートナーになる事を祈っている』
アイテムBOXの中に卵が追加されている。
孵化のさせ方は特に書いてない。
後で二人に聞くとしよう。
『それから、これは僕からのささやかなお礼だよ。二つのうち、一つ選ぶといい』
俺はチケットを渡される。
欲しい方を破るとアイテムBOXに追加されるそうだ。
「ユニークスキルか、SS武器か…」
宮藤さんはニヤニヤしてこちらを見ている。
「宮藤さん、俺の所持金倍にしてくれませんかね?」
第三の選択肢。
宮藤さん爆笑。
『え、ちょ、おま、あはははははは』
宮藤さん、笑いすぎ…
『いや、最後まで選択肢に縛られないか…はは…よし、面白かったからそれ、両方あげる。君の所持金は倍には出来ないけど、代わりに次回アップデートで実装予定の新職業のテスターにしよう。あと、その職業に合わせたE武器も付けようか』
お、おぉ?なんかすごい宮藤さんって太っ腹?
「それは頂けないです宮藤さん。ただでさえ無双状態なのに、これ以上強くなったらなんだかズルした気分になりますから」
それに、そんなので強くなってもちっとも嬉しくない。
約束された最強無双より、臨機応変な方が割りに会ってるし。
『確かにE武器は性能が未知数だ。何もしなければそこらのB武器と変わらない。でも、E武器は使用者のメンタルと密接に関わっている。だから一口に武器と言ってもEだけは武器と言うより、生き物なんだよ。だから…』
…だから?
『君に、使って欲しいんだ。これは我儘だよ』
「はぁ、まぁそういう事でしたら…」
『引き受けてくれるかい⁉︎それはよかった』
渡された武器はレア度Eの二丁拳銃だった。
まだまだ序盤たから説明回