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#3 選択肢なんて無かった

「とりあえず箱を開けようか。響」

「そーだそーだ!開けろ!叩き割ってやる」

「お前ら…」


文句を言いながら箱を開ける。

中からメガネと首輪の様なものが出てきた。


「おぉ⁉︎やっぱ最新式か!」

「当たり前でしょ?懸賞品なんだから」


リンクギアに最新式とかあるのか。

知らんかった。


「で?響はCDO持ってるの?」

「持ってねーよ。これ届いたの今朝だぜ?」

「いや、響なら持っててもおかしく無いぞ。想像力豊かな奴だからな」

「なんで俺が妄想のゲームをしなきゃならないんだよ。つーかどんだけ可哀想な奴だよそれ」

「やっぱ持って無いか…」


当たり前だ。

常識的に考えろ。


「ねぇ、響?あんた今いくら持ってる?」

「お、それは俺も気になる」


なんだよ二人して。

カツアゲか?

大して持ってないぞ?


「そんなのスズメの涙程度だよ。リアル六千円くらい「「キターーーーー‼︎‼︎」」何だよ突然!」


さっきも言ったと思うが、右耳と左耳がガンガンしてんだよ!

自重しろよな!


「安心しろ響!お前の悩みは全て解決する!」

「そうよ!これでもう壁ドンしなくて済むわ!」


待て待て。

こいつらは一体何を言っている?

ワケガワカラナイヨ?


「さて、行こうか。真美菜」

「そうね、行きましょ。翔」

「どこ行くか知らんが行ってらっしゃい」


これで少し静かになる。


「響も行くんだよ」

「有り金全部持ってきてね」


バカかこいつら。

そんな素直に持って行くかよ。

…っておい。

ちょっと待て。


「翔。お前のその右手にある物は何だ」

「財布」

「そんなの見れば分かる」


俺が聞きたいのはなぜお前が俺の財布を持っているか、だ。


「ま、響が来たくないならそれで構わん。が、中身が俺と真美菜の食費に変わっても責任は取らんぞ?」

「いや、返せよ」


そうして俺は、翔の連れられるまま都内のゲームショップに行く事になった。

財布の中身を食費に変えられる事は無くなったが、代わりにCDOを始める事になってしまった。

そろそろ本気でこいつらを殴ってもいい気がする。

それ以前に俺自身が推しに弱いのも原因なんだが。

その辺はご愛嬌、ということで。


▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎


リンクギアのセットアップを済ませ、装着。

翔と真美菜は既にCDOを持って居たので、CDOで待ってるとの事。

はぁ…

ため息が出てしまった。

別にゲームが嫌いだという訳では無い。

こういう時代で、ケータイを持っていないのは正直不便でならない。

ならなぜ久城 響という男はゲームを買わず、ケータイを待たないのか。

答えは単純明快である。


機械音痴。


それも一種の才能と言っても過言では無い。

そんな俺が段階をすっ飛ばして最新式のゲームとか、片腹痛い。

どうせあいつらの足を引っ張るだけ。

だって、どうせ、俺なんか………


「…いや、やめとこう。考え出したら切りが無い。今は目の前の事だけに集中しよう」


そして俺は深く目を閉じ、催眠に身を任せた。

中々進まない展開


響って以外とネガティブな奴だったりする

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