クリスマスの魔法

作者：香利

「ねえ、おかあさん」

「なあに？」

「サンタさんはいつ来るの？」

「あなたが寝てる間に来るわよ」

「あたしは会えないの？」

「そうね、寝ている間に来るのがサンタさんの決まりだからね」

「おかあさんはあったことある？」

「あるわよ」

「いいなぁ〜あたしもあってみたい」

「大人になったらあえるわよ」

「そっか…あたしね、サンタさんにききたいことがあるの、おかあさんきいといてくれる？」

「サンタさんに？いいわよ」

「あのね、サンタさんはまほうがつかえますか？ってきいて」

「わかった、聞いてみるね」

「ありがとう。ねえ、おかあさんはどうおもう？」

「ん？」

「まほう、つかえるとおもう？」

「そうねえ、使えると思うわ」

「どうして？」

「だってサンタさんにも家族が居るでしょう？だから一緒にいたいから魔法を使って早く帰って来ると思うわ」

「そっか…。そのまほうおとうさんもつかえたらいいのにね」

「そうねえ、いつもクリスマスイブはお仕事だものね、でも本当のクリスマスは明日だから明日は一緒に居られるわよ」

「ほんと！？あしたおやすみなの？」

「本当よ、だから早く寝なさい。あした起きたらきっとプレゼントもきてるしお父さんも居るからね。早く寝ないとサンタさんうちに来れないよ」

「え〜、やだ！あたしねるもん」

「そうね。お休みなさい」

「おやすみなさい…ねたふりしてもわかるかな？」

「わかるからちゃんと寝なさい」

「はあい、おかあさんおやすみなさい」

「お休みなさい」

暫くするとすうすうと規則正しい寝息が聞こえてくる。

そこにキィッとドアをあける音が聞こえてきた。

「ただいま。うちのかわいい娘は寝たかい？」

「えぇよく寝てるわ。今年は早かったわね。《サンタさん》♪」

「そりゃあ、愛しの嫁さんと可愛い娘ちゃんの為に今日しか使えない魔法をこれでもかってくらい使ってきたさ。トナカイ君には呆れられちゃったけどね」

「あら、大丈夫だったの？」

「まあサンタクロースの業務はちゃんと終わらせて来たから大丈夫だよ。」

「そう、ならいいけど。」

「それで嫁さんよ、君はなにか欲しいものは無いのかい？」

「欲しい《物》は無いわ」

「《物》はね…それは俺も欲しいと思っているものかな？」

「さあ…でもそれはサンタさんからのプレゼントというよりコウノトリさんからのお届けものなのよね」

「そうか、じゃあ今まで以上に夫婦仲良くしていなくちゃね」

「うふふ、そうよ。」

「嫁さん、愛してるよ。メリークリスマス」

「わたしもの愛してる。メリークリスマス」

メリークリスマス！！

お目汚し、失礼しました。