ラボ
エリア51のラボで待機していたヘンリーのもとにケン・タナカが来た。
ヘンリーが知る限り、生存が確認出来る科学者の中でも最高レベルの一人でヘンリーを『コブラ』のコードネイムで呼ばない老人だ。
突然、タナカはボサボサの白髪と出っ張った腹を揺らしながら入って来るなり『やぁ!ヘンリー!バーチャルシアターでこのディスクを観といてくれ!後、このiPadにデータベースは入ってるからな~』
ヘンリーは渡されたディスクとiPadを見てもさっぱり今の状況が理解出来ずにいる
『すみません。バーチャルシアターは何処に・・』
タナカは一瞬、止まったが、すぐに大笑いし初めた。
『本当に知らないのか?まずはバーチャルシアターだな~』
タナカは例の赤いPCのキーを2回叩き、東側の壁に手を触れるとラボの壁が光りスライドした。そこには巨大な空間が広がっていた。
『右側がシアターだな!はっきり教えておこう!歴史上、最悪のウィルスが撒かれたんだよ~待てよ!これから本格的に撒かれるのか~』何故か笑いながらタナカは話している。
ヘンリーが唖然としていると次の瞬間、タナカは真剣な面持ちで『ヘンリー、君が無事で何よりだった。持てる知識をフル活用するんだ、さぁ、行って!』
シアターでデーターと映像を見たヘンリーはシアターのドアの前で一瞬、躊躇ったが思いきって開けた。
そこには笑顔のタナカと更に年老いた鋭い眼光の黒田が立っていた。
『さて、ミーティングだ!コブラ』
黒田はそう言うと早足でラボのドアの向こうに消えた