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アウディーの疾走

ティナはかつて乗りなれたジェームスのアウディーの助手席ではなく後部座席にジェームスと座っていた。

運転席と助手席にはスーツが似合わない程の筋肉の塊が据わっている。

彼女の心の中では公用車ではなく、ジェームスの個人の愛車で連れ去られた事で過去のキャリアが雄弁に危険信号を鳴らしているいる


閑静な町並、すれ違う穏やかな人々、透き通る空と爽快な坂道を疾走する車内は対象的に鉛色の重力だ。


『ティナ、君のプロジェクトの経過を簡潔に教えてくれ!』

ジェームス・ロンの口調は『最愛のジェームス』では無い・・『CIAのアナコンダ』のロンである。

ロンは難航不落の情報提供者から湯水のごとく情報を引き出した伝説のCIA最強のネゴシエーターの経歴を持つ男、対象者は気付くと情報を全て締め上げられすべて吐き出している。


『わかった、全て話すは・・・一つ約束して!!あなたの聞きたい事を端的に言って!そして身の安全を保障して!!!』

ティナはかつて愛した男にこんな懇願をする自分に失望した・・自分の流儀ではない・・・


ロンは左手で側頭部をなで上げながら、ため息をつき

『聞きたい事・・・君の現在の仕事の進行状況の概略を話してくれ・・』

アナコンダの目でロンが見つめている・・・


ティナの目にはロンを包む窓の流れる景色が車のスピード以上に見える・・・ロンの意図を先に聞く権利は既に無い・・既にロンのトグロが心を締めあげている


鉛の空気を切り裂くロンの携帯音が車内に響いた。

メールだ・・・・

メールを見たロンの目からはさらに体温が感じられなくなり、ティナは『アナコンダ』が口を開け飲み込む恐怖感に襲われた。







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