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耐性

『まったく!単なる脳震とうのジャップのタクシーをするとはな~』古巣のレイダースの試合のテレビ中継を楽しみにしたアレンはハンドルを握りしめ吐き捨てた

黒褐色の闘牛の様なアレンはラスベガスの青い空に吸い込まれる砂漠の一本道を『国立ネバタ総合病院』へ向かいひた走る。

レスキュー車後部の治療台の患者にアレンとは違い青い顔、ブルーアイの痩せこけた研修医のマイヤースは患者に視線を走らせた

口元に皮肉一杯の笑みを浮かべ『脳挫傷の患者を搬送しろ!と天下のラスベガスアスレチックコミションが言ったら、断れないだろ!』

アランとは2回りも違うエリート医者が諭した

アランは小さく頷くとラジオから流れるレイダースの中継に解説をつけ始めた。

元ベンチウォマーとは思えない解説・・・

アランは合図ちを打つマイヤースをバックミラーで時折、確認しながら解説に熱を帯びる


CM放送が流れる中、キザで鼻持ちならない、愛想笑いが得意なマイヤースの合図ちが無い・・・


バックミラーに移るマイヤースはまるでミイラの様な姿でパクパクと何かを呟いている

『に・げ・ろ・・・・・・あぁぁぁ・・・』


アランは急ブレーキを踏み、右手で緊急ボタンを押し、次の瞬間に無線に向かい

『緊急事態発生!緊急応援を頼む!!マイヤースが患者にやられた!!!』

右腰のホルダーにある銃の安全装置をはずし、車を飛び出し、バックハッチに手を掛けた。

勢い良く開けた瞬間に砂埃が噴出した・・・・

砂埃の向こうにマイヤースの体が見えた・・・・

崩れ散るマイヤースの頭・・首・・・肩・・・・砂漠の砂の様に散りうせる・・・・・


アランはマイヤースの砂埃を払いながら、車から立ち退いた瞬間、自分の持っていた銃がアスファルトの上にある。

右手が無い!!砂になった右手、右腕がネバダの風に散ってゆく・・

左手で無線を掴み『体が崩れる!!!助けてくれ!!・・・・・・』

アランの無線機からは『応答しろ!!状況を言え!!!』空しく木霊していた。


エイジはレスキュー車の治療台で深い眠りついていた。

エイジの腕につながれた点滴から、彼の血液データーがエリア51に送られた時、

ラスベガスは炎の除染に覆われた




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