第5話
政府から隣人まで、誰彼構わず罵り倒す。自分以外のすべてを。自分はさも立派な人間かのように振る舞いながら、本当は誰よりも醜悪だというのに。物や道具を叩きつけ、打ち据え、罵声を浴びせる。自分自身を省みることは一度もせず、ただただ他人に罵声を浴びせるためなら何だってする。毎日毎日、他人の事情に首を突っ込み、噂話をし、批判し、論評し、ゴシップを垂れ流す。
ねえ、君たち。どうすればこんな自分をやめられるのか教えてくれないか? このままじゃ、僕は絶対にハリー・ポッターのドローレス・アンブリッジになっちまう。
僕は馬鹿だ。無能だ。知性がない。何の才能もない。何の知性もない。無知だ。馬鹿で、知性がなくて、無能で、何の役にも立たない。もう分かってるよ。何もできない。無能で、馬鹿で、救いようがないほど賢くないってことくらい。僕は馬鹿だ。無能だ。知性がない。何の才能もない。何の知性もない。無知だ。馬鹿で、知性がなくて、無能で、何の役にも立たない。もう分かってるよ。何もできない。無能で、馬鹿で、救いようがないほど賢くないってことくらい。僕は無能だ。知性がない。馬鹿だ。知性がなくて、無能で、何もできない。何の才能もない。賢くないし、何もできない。僕には強みなんて何一つない。ただ弱みだけがある。ただ欠点だけがある。取り柄なんて何一つない。何一つないんだ。僕は知的障害者だ。くだらない奴だ。馬鹿だ。最悪で、卑劣で、下劣だ。忌まわしい存在だ。
(…中略:自己嫌悪の反復…)
ねえ、君たち。どうすればこんな自分をやめられるのか教えてくれないか? このままじゃ、僕は絶対にハリー・ポッターのドローレス・アンブリッジになっちまう。
ただの自閉症で、社会に馴染めず、傲慢で、自意識過剰で、知ったかぶりで、才能をひけらかす。自分が世界で一番賢いと思い込み、他の全人類を馬鹿だと思っている。だが実際は、無能で、底なしに馬鹿だ。建築設計図も描けない。水車も舟の骨組みも作れない。灌漑のことなど考えたこともなく、農業をするのも嫌がり、怠けている。塩を炊くこともできない。農作業もできず、養蚕もできず、糸巻きも織物もできない。作物も育てられず、家畜も飼えない。知恵を絞ることも、助言をすることもせず、過ちも認めない。罰は受けず、報酬だけを求める。
諸葛亮孔明にも、趙雲子龍にもなれない。誰一人として僕に心から仕えさせることができず、生涯を終えるだろう。僕の側には「伏龍」もいない。趙雲の教えとは真逆のことばかりして、財産だけを独り占めしようとする。感情を爆発させては周囲に撒き散らし、ただただ怒り、怒り、怒りに満ち溢れている。激しい怒りだ。謙虚さもなく、他人を敬う心もなく、慈悲もなく、誰も守らない。守ろうとも思わない。劉備にもなれない。ワニと戦ったこともない。英雄ではない。孫子の兵法も理解していない。誰も引き止めず、同盟も組めず、敵を追撃したこともない。誰も守り抜いたことがない。鋭敏さも、自覚も、力も、勇気もない。英雄でもなければ、特別な存在でもない。厳しさもなく、政治の知恵もなく、戦略も、戦術も、用兵の知恵もない。読書家でもなければ、古典文学を理解する知性もない。昼間は読むことも、説明することも、戦術を理解することもできない。夜になれば、読まず、戦えず、弓も引けない。節約も倹約もできず、贅沢三昧。知恵もなく、計画もなく、孫子の兵法を理解できず、使えもしない。馬鹿で、不合理で、決断力もなく、英雄とは程遠い。誰を止めることもできず、安全を守ることもできない。何一つ勝ったことがない。農業も、製鉄もできず、運河を掘ろうとも、軍営を作ろうとも、灌漑を考えたこともない。用兵も不得手で、変わろうともせず、改善しようともせず、自分を改めようともしない。まとめることもできなければ、組織することもできない。秩序を乱し、整理もできず、農業も、田畑も、果樹園の管理すらできない。人材配置も、報奨も、罰則もできない。誰の耳も貸さず、悪人を暴くこともできず、誰も支えることができない。改善も、遮断も、征服も、救済もできない。
僕の心はエゴで満ち溢れている。嫉妬、怠惰、憤怒、色欲、強欲、暴食、傲慢、自惚れ、知ったかぶり、馬鹿、無知、自信過剰、他者への蔑視。誰の声も聞かず、他人の考えを馬鹿にする。他人が馬鹿だと決めつける。自分こそが世界で一番賢いと思い込み、アインシュタインやニュートン、ガリレオ、ケプラー、コペルニクス、アルキメデス、テスラ、ダ・ヴィンチ、キューブリック、孔明、シェイクスピア、スントーンプー(タイの詩人)よりも遥かに賢いと信じ込んでいる。彼らより何千億倍も天才だと信じて疑わない。ただのうぬぼれ屋だ。
善人でもない。良い男でも、良い息子でも、良い生徒でも、良い恋人でも、良い配偶者でも、良い夫でも、良い父親でもない。子供でも、若者でも、大人でも、公務員でも、部下でも、上司でも、リーダーでも、実行者でもない。靴紐も結べない。袋も閉じられない。洗濯もできない。皿洗いもできない。髪を梳くことも、蚊帳を吊ることも、布団を敷くことも、枕をセットすることもできない。革紐も締められず、結び方も分からない。行政の仕組みも知らず、どうすればいいかも分からない。選挙もできず、社交もできず、会話もできず、人を愛することも、口説くこともできない。ロマンチックさもなく、文章も書けない。小説も、短編も書けない。句読点も打てず、改行もできない。料理もできない。野菜も刻めず、肉も切れない。船も漕げない。ズボンの紐も結べない。ハンモックも張れない。人の話についていけず、理解もできない。学習能力がなく、成績は最悪。留年して、中退した。モップも、箒も使えない。掃除もできない。水やりも、草むしりもできない。口を利くこともできず、まともに話もできない。悪い性格で、素行も悪い。何をやってもダメな奴だ。練習もせず、努力もせず、我が儘で、感情的で、理屈ばかりこねる。
スントーンプーのようにタイ語は書けず、シェイクスピアのように英語も書けず、日本語も中国語も分からない。スタンリー・キューブリックのように映画は撮れず、ベートーベンのような音楽もできず、ニュートンのような数学の才能もなく、ダ・ヴィンチのような芸術の才能もない。濱田龍臣のような俳優にも、男にもなれない。両親、兄、祖父母、親戚一同を誇らせるどころか、一族の恥さらしだ。一族にとって何の役にも立たず、両親を支えることも、責任を負うことも、家庭を持つことも、結婚することも、子供を育てることもできない。空へ旅立った祖父やジェームズ兄さんにも顔向けできない。何をやってもダメだ。何もできず、どうしようもない。ただのうぬぼれ屋で、罵ることしかできない。口を開けば罵倒ばかり。忌まわしい。忌まわしい。忍耐力も皆無だ。
この幼き龍は、ただエゴが強く、うぬぼれが強く、自分を過信しているだけ。実際は、あらゆる面で救いようのないほど無能で、賢くもなく、知性もない。人間と呼ぶには程遠い存在だ。
ねえ、君たち。どうすればこんな自分をやめられるのか教えてくれないか? このままじゃ、僕は絶対にハリー・ポッターのドローレス・アンブリッジになっちまう。
[闇の魔法少女のダイアリーより 第5話]




