第12話
タイ人はこのような進歩のないマインドセット(考え方)をやめるべきです。さもなければ、この国は質の悪い、くだらないものばかりで溢れかえってしまいます。誰かが良いことをしようとすれば批判され、彼らはやる気をなくしてやめてしまう。/ 発展した海外では、社会は良いもの、イノベーションのあるもの、特別なもの、クリエイティブなものに価値を置きます。なぜなら、それらを作るのは難しいからです。あなた方はこうした人々を支援し、称えるべきです。彼らが変化をもたらすのですから。さもなければ、あなた方はずっと安くて悪いものばかりを消費し続け、進歩せず、井の中の蛙のままです。本心から言いますが、今、海外から出店のオファーがものすごくたくさん来ています。でも、私はまだ行きたくないのです。5年前にイタリアで私が感じたあの感覚を、タイの人々にも感じてほしい。それは本当に特別なものです。みんなに食べてほしいのです。それ(あなたたちが食べているもの)ははるかに劣っています。あなた方はジェラートやアイスクリームに関する知識がありません。私はジェラートの質感に目をやっただけで、それがマイナス7度だと分かりますし、それをすくい上げます。私はその溶けるタイミングが分かるまで訓練してきました。こういうことをあなた方は知っていますか? 知らないでしょう。訓練していないのだから。私はイタリアに5年いたんですよ。専門的な訓練を積んできたのです。
ええ、そうですよ。私は何をやっても成功しない人間です。文章も書けないし、何もできない。何一つ成功しない人生です。アユタヤー・ウィッタヤーライ校(อยว.)にいた頃、女の子から本気で2回も告白されました。中学1年生と2年生の時のことです、鮮明に覚えています。なのに今になってもまだ彼女が一人もいません。出版社に原稿を送っても不採用。新しくできたばかりの「パワー(Phawa)出版社」にさえ受け入れてもらえませんでした。
セルジオ・レオーネが黒澤明の『用心棒』の脚本をイタリア語に翻訳し、プロット(骨組み)以外は『用心棒』とは全く異なる脚本を書き上げて、マカロニ・ウェスタン映画『荒野の用心棒(Per un pugno di dollari)』を作ったなんて、私は知りもしませんでした。エンニオ・モリコーネがその当時から、あの『続・夕陽のガンマン(Il buono, il brutto, il cattivo)』に至るまで、劇伴に口笛やオカリナを取り入れていたなんて、微塵も知りませんでした。リー・ヴァン・クリーフが『夕陽のガンマン(Per qualche dollaro in più)』の撮影中、電気代を払うお金すらなかったことや、『夕陽のガンマン』でダグラス・モーティマー大佐役を演じながら電気代を稼ごうとしていたなんて、これっぽっちも知りませんでしたよ。
まったく、この大馬鹿野郎。
頭おかしいだろ。
ところで、「時間は、1マイナス光速の2乗分の速度の2乗の平方根分の1に等しい」という文章を、イタリア語で私に言ってくれませんか? しかも早口でね。
っていうか、なんで俺はこんなくだらないことを自分の日記に書き残さなきゃいけないんだよ?
[闇の魔法少女の日記より 第12話])




