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LOVE SICK  作者: 紫音
10/10

最終話

次の日…



大学の食堂に、ぼんやりと真明は座っていた。

「暗い顔してんなぁ~、真明」

ポンっと真明の頭を叩くのは、シゲ。

「なんだ、シゲか」

「なんだとは失礼だな。真明、フラれたんだって?」

「…誰から聞いたんだよ」


不機嫌な声で真明がシゲを見る。

いつもの柔らかな物腰はどこへやら…。


「俺は情報通なの。何でも知ってんだよ~」

「……なら、傷心の俺を少し静かに放っておくことはできないのか?」

「だから、傷心の幼馴染を慰めてやろうと食堂まで来たんじゃないの」


足を組んで座る真明の隣にシゲも座る。


「なぁ、慰めてやろっか?」

「お前は俺の好みじゃない」

「…あのなぁ~、そういう意味の慰めじゃなくってだな。今晩、食事作ってやるよ。お前のマンション行ってやるって」


シゲは頬杖ついて真明を見た。


地元にいた時から一人暮らしをしていて、料理方面は自信がある。

同じ地元の真明も知っている事だから、時々食事を作ったりしていた。

「俺のリクエスト、聞いてくれるんだよな?」

真明が尋ねる。

「構わないけど、あんま面倒なのはかんべんな」


そう言って、シゲはタバコに火をつけた。


「だーけどさ。雅はダメだと思ったよ。あいつ、祐也大好きだもんよ」

「知ってたなら教えろよ」

「教えてもアタックしたんだろ?」

「…多分」

真明も、シゲからタバコを貰い同じように火をつけた。


ゆらゆら揺れる煙に視線を流す。


「好み…だったんだけどな」

呟けば、シゲが苦笑を洩らした。

「仕方ねぇんじゃね?大体、祐也を敵に回すと怖いと思うよ?」

「鴨井は彼女いただろう」

「一応…ね。でも、あいつ…いっつも彼女に興味もたないもんな。モテるくせに勿体無い!俺に分けろって言うんだっ」

「…お前はダメ。良い人で終わるタイプ」


真明にキッパリ言われ、シゲが凹む。


「もう少しオブラートに包めば?」

「同じ事だろう?大体、今はミヤ…田之上からの電話で俺の方が凹んでるの」

「何か言われた?」

「ん…。デートのお誘い断られたのと…ミヤって名前で呼ぶなってさ」

「ふむ・・・雅のやつ、祐也に何か言われたのかね?」

シゲが腕を組む。

「さぁ?はっきり言わないけどね。多分そうじゃないかな。鴨井も田之上が好きなら、最初から捕まえておけばいいものを…」


フリーだと思えば、手に入れたくなる。


誰かのものだったなら、気持ちも抑えられたのに


ただの負け惜しみだとしても、思わずにいられない


「しゃーねーよ。そういう二人なんだって」

「あぁ……今回の事で気付いたよ」

「まあ、新しい恋を見つけるっきゃねぇわな。また合コンする?」

「傷が癒えたらな~」

「見た目によらず、繊細」


シゲが楽しそうに話す。

それを見て、真明も口だけで笑った。


いつまでも…こうして傷ついているわけにはいかないから…





*******



俺は、休みを祐也の借りてきたDVDを日長見て過ごした。


体調は不思議な程良かった。

やはり精神的なものだったのだろう。


ふと、流していたDVDから昨日聞いたラブソングが流れてきた


(あ、これ…映画の曲だったんだ)


タバコを吸う手が止まる。


映画から流れる曲に耳を傾ける。


英語の歌詞で意味はきちんと理解は出来ない。

けれど、昨日よりもずっと心地良い曲に聞こえるから不思議だ。


映画をそのままに、俺は自分の部屋に戻る。

そしてベッドを眺めた。



昨夜…


『部屋一緒にしようぜ?バイト代、今月結構入るからでかいベッド買えば二人で寝れるだろ?』


そう提案してきた祐也


最初は一緒に寝るなんて恥ずかしかったけれど…



これからはどれだけ一緒にいても時間が足りない。

別々の部屋で眠るなんて、淋しくなりそうだ。



(俺も、参ってるな…)


自嘲気味に笑い、携帯を手にする。



『家具、見てくるから。授業終わったら連絡しろ』



そう一言祐也に送信すると、俺は部屋を出た。


END




終了です。長々読んでくださってありがとうございました。

今は懐かしい一番最初に書いたBLなので、思い出深いです。

後は18禁になるものと、友人から貰ったリクエストの話を後日談で書いてます。

またアップできたらと思ってます。


良かったら感想などいただけたら嬉しいです


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