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LOVE SICK  作者: 紫音
1/10

-1-

大学生のボーイズラブになっています

苦手な方は閲覧注意です

想っても


想っても


きっと貴方は振り向かないだろうけど




それでも、近くにいてくれるだけで良いなんて…





しみったれたラブソングみたいで笑ってしまう


だけど本心


キミがいてくれれば、それだけで満足



*****



「明日、出席票出しといてくんね?」

同居人の鴨井祐也かもいゆうやに言われたのは、バイトから帰宅してすぐ。

『ただいま』の返事も無く、これが第一声。

「ミヤ、明日は一限行くだろ?」

「行くつもりだけど…。祐也は?」

「俺、明日は行けない。多分帰らないから、よろしく」

「はぁ?」


思わず変な声を上げたのは、こいつが帰ってきたのは今さっきの事だから…


俺…田之上雅たのうえみやびは、バイトしてて祐也が帰宅したのがいつだかも知らない。

ただ、昨夜もいなかったし朝もいなかった。

大学から戻ってきて、バイトへ行く間にも帰ってこなかった。



つまり、俺がバイト中に帰宅したことになる。


それなのに…


「また女のとこかよ」

「ま…ね」

「今度は…誰?」

「どっかの女子大の子。シゲからの紹介」


つまらなそうにタバコを加える祐也に、俺は派手にため息をついた。




いつもこんな感じ…




誰かしら女がいて…それは別に誰でも良くて…




実際、こいつはかっこいいと思う



187の長身に、流行りを外さない格好

茶髪に見えるその長めの髪は、脱色したわけじゃなく地毛らしい。


俺には無いものを持つアイツ…


成績も悪くない

(良いわけではないけれど…)

スポーツも出来る。



高校で出会ったこいつは、いつでも目立っていた。


だから、こいつの女関係も派手だった。


いざこざがおきないのが不思議なくらい…



「紹介されたからって、すぐに朝帰りかよ」



高1からつるんでるから、大学二年の今、5年のつきあいになるが

祐也の女関係にはどうもついていけない


「もう少し考えれば?」

「考えたって結局は一緒だろ?ヤるもんはヤるし…

 朝まで付き合うって事は女だってイヤじゃないんだろうし…」

「あっそ…」


俺は半分呆れながら、バイト帰りに寄ったコンビニの弁当を冷蔵庫に放り込む。

その背後から、祐也が俺の体を抱きしめてきた。


「ミヤ…」

小さく耳元で囁く声


俺はゆっくり振り向く。



168の俺では、祐也を見上げる形になってしまう


祐也のブラウンの瞳に映る俺の姿は、祐也とは逆の冴えないスタイル


なんだかそれだけで凹む


「ミヤ…」

もう一度、祐也が俺を呼ぶ



そして近づく顔



(やっぱ…かっこいいんだよなぁ)


俺はぼんやりと思いながら、唇に軽く触れてくる祐也のそれを感じた。

もう少しお付き合い頂けると嬉しいです

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