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勇者の奥様

掲載日:2025/11/12

これは後に世界の運命を変えてしまう大事件の首謀者にされてしまう女の子のお話し。

そんな運命になる事などつゆ知らず。

今日もお仕事お仕事。

いやーいい天気。

いつもの如く遅刻寸前だけど全力疾走で間に合ったぁ。

後ろに立ち込める土埃を確認して、今日も元気に頑張ろうって気合を入れる。

自慢じゃないけど走る速さは、自信がありまーす。

そしてこの土埃は当ラランタ魔法道具店の開店イベント。

仲間のみんなが、もうそんな時間かぁと準備を急ぐ。

お店の前に看板立てて、本日の特売魔道具「回復魔法石(小)」の文字を書き込む。おススメだよ!ッと。

カウンターのお掃除良し。

お釣り良し。

0円スマイル、んーー良し!

あたしはもさもさあたまの冴えない魔法道具屋の販売担当。

鈍臭い、可愛くない、モテない3拍子だけどお金を稼ぐため今日も愛想笑いで頑張ってまーす。

最初にみんなでご挨拶。

いらっしゃいませー

ありがとうございましたー

またお越しくださーい

よし、発声練習完璧。

あっ、忘れてた。入り口に戻って"あきない中"に札をひっくり返す。

商いと飽きないを兼ねてると店主が自慢している文言なんだけど見るたんびに「恥ずっ!」と思ってしまう。

まぁそこまで考えるそこまで考えるお客さんは来ないか。

実はあたしエルフでして・・・希少種だからバレたら大変な筈なんだけどあたしはバレたことないわ。

狼族とのハーフだから耳が違うからなんだよねぇ。これが。

狼族と人間のハーフだったら珍しくもないし、犬耳のお陰で子供の頃はチャウチャウ呼ばわり。

ま、その結果かわいくは無いけどキャラは目立って販売のお仕事は順調順調。


こちらの魔法石は水属性の魔法と相性が良いですね。

本日おススメの回復魔法石(小)は最近仕入れたもので宝石としても価値がございます。勿論回復魔法を込めることが出来ますので御守りとしてお土産に人気のあるものなんですよー。

売り子としては稼ぎがそこそこあるので

お給料もがっぽり。老後の蓄えはなんとかなりそう

かな。もしかしたら早めのリタイアまで行けたりして。のんびりスローライフ最高!


お昼すぎ。

いつもこの時間は手持ち無沙汰になるんだよねー、

暇過ぎ。

お店の前で子供達が遊んでる景色眺めつつ、

眠すぎ。

ウトウト・・・。

「もーまたお眠ぅ。マスターにバレても知らないからねっ。」ともう1人の販売担当クリスチーナが優しく起こそうとする。

「お目覚め出来そうなイケメン来ないかなー」と寝ぼけて答えるあたし。

そんないつもの他愛もない会話をしつついつものように時間が過ぎてくハズ・・・だった。

お店の前に1台の馬車が停まった。それも屋根付き黒塗りのヤツ、大体こう言う馬車ってご身分のお高い方がお忍びの時に使うんだよね。

ろくな事がないんだけど、お金に糸目をつけないから文句は言えないんだけど。

あら、クリスチーナが奥に引っ込んでる。あー、いつものお化粧直してんのかぁ。

上手くいけば貴族様にご縁が出来るかもという淡い期待を胸にパタパタ始めていた。

”クリスちゃん無理だから絶対的に”という心の声が漏れそうになるのを抑えつつ

もう一度馬車の方を見たらエルフのおっさんが乗っている。

ご身分が高なそうな渋い空気を醸し出している。

言っちゃなんだけどエルフのお客様が求めるようなハイクオリティーな品はございませんわよ・・・

二流道具店なんだから。


従者を伴って入店し、お化粧直しの終わったクリスが満面の笑顔でいらっしゃいませーと向かう。

「本日はどのようなものをお求めで・・・」と聞いたがガン無視。

あれ。あたしを見てる?

「すまぬが、あの店員と二人きりにしてほしい。」と従者に指示してクリスに特別室がないか尋ねる。

お貴族様にあるあるなのでこういう時の応接室へクリスがご案内してくれた。

まいったなぁ、こういう時はクリスちゃんがいつもやってるのに。

意外なご指名に当然ながらみんなも驚いてる。

あーめんどくさそうな気がする。

クリスちゃんがお茶とお菓子を持ってきて

「がんばれ!」とウィンク。

ご指名とあらば仕方ない。まぁそういうご趣味のお貴族様なんだと割り切り、応接室へ。

お茶を囲んで愛想良く会話を・・・・。

ってできるかいっ。こっちをじー--っと見てる。

もしかして、なんかやばいご趣味もお持ちなのでは。さっさとご希望の魔道具教えてよぉと思って視線に耐えていた。

「レムラム村の出身だな。」といきなり聞かれた。

「はい。」と恐る恐る答える。

「母の名前を教えてくれるか?」

へ?「ア、アスラルーナです。」と訳も分からず答える。

途端に、エルフの顔が変わりいきなり平伏してきた。

えー-----ッ。

「あなたさまを探しておりました。私は、ノイトラー・ルードフォン子爵と申します。」

「実はあなた様のお父上についてお伝えしたいことが。」

や、やばい素性がばれてる。

エルフってばれとる。

ああ、のんびりスローライフがぁ・・・


あぁ、またあの頃の夢だ。

瓦礫のなかで現実にいやおう無く引き戻された。

荒廃した故郷の村に隠れる様にひっそりと過ごすのはいつまで続くんだろう?

もうあの頃みたいに過ごす事は出来ないと分かっている。だって今やあたしは懸賞首。

そろそろ別の隠れ家探さないとまた追ってくる。そう思いながらまたポソッと呟く。

「これでよかったんだよね。お母さん・・」

シュチュエーション別短編です。

徒然なるままに表現できたら面白いかと。

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