第8話 衝動性のあとしまつ
先程、皇居で魔法を使おうとして失敗し、不審者速報に晒され、恥ずかしくなって逃げるように家に帰る俺。
近鉄電車に乗り換えた後、香はんからLINEが返ってきた。
『やはりお兄ちゃんも、皇族は権力を持っただけの人間だと判断したのね』
『俺には神としての威厳も力もないからな』
『本家であるお兄ちゃんがその解釈なら安心したわ』
そこでLINEは途切れた。
しばらく景色を眺めた。
『次は尺土。
御所方面と、磐城から駒ヶ谷の各駅へお越しの方は次でお乗り換えです』
そのアナウンスを聞いて、俺は各駅停車に乗り換えた。
最寄り駅が磐城やからな
あ、原付バイト先に置いとったの忘れた。
さっきまで乗っとった急行の扉が閉まる。
今乗っとるのは各駅停車古市行き。
バイト先は河内松原。つまり乗り換えが発生。
は〜めんどくさ。
翌日、学校に行った。
慎也と喧嘩した後やからクッソ気まずかった。
登校するといつものように、隣の席には慎也が居った。
「おはようさん!」
「お、おはよう」
なんでか知らんけど一昨日の事が嘘みたいな友好的なテンションで慎也に挨拶された。
「樹、土曜日のことやけど、オレ、アレ飲んでからの記憶がなくて、気がついたら家に居ったんやけど、オレあの間何してたか知っとる?」
慎也はどうやら飲酒時の記憶を失っとるようやった。俺はかなり安心した。今後も慎也と仲良くできそうなことに。
「アレ(学校で未成年飲酒がバレたらアカンからアレと呼ぶ)飲んだ時の慎也やばかったで。突然裸になって踊りながら下ネタ連呼しよった。もうアレは飲まん方がええ」
「ひょえ〜オレそないなっとったんか。もう飲まんようにするわ……」
「そのほうがええ」
大嘘やけど、これくらい言わんとまた飲むやろコイツは。




