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台無し文化祭 ②

 クラスメイト全員で監視カメラの映像を見る。

 クラス全員が帰った放課後。その人影は現れたのだった。

 そこに映っていたのは。


「え、音子さん……?」


 俺だった。

 いや、俺の格好をした誰かだ。この学校じゃ中靴は各自で用意する。

 各々が好きなブランドの靴を用意して履くから靴にも特徴が出てくる。


 俺の靴は千智ちゃんと同じブランドのもの。千智ちゃんの物の色違いを履いている。

 だから靴を見れば誰かはわかってしまう。


「万、お前……」

「私じゃない……」

「決めつけるのは尚早だ。監視カメラがあるのはみな承知だろう。敢えて自分の姿を映してる感じがするな。まるで音子に罪を押し付けるように」

「……婚約者を庇うのはわかりますが」

「流石に不自然な動きしてるよ。僕だって警戒するさ。普通、わかってるなら映らないようにするのは犯人の心情としては十分あるよ。ってか普通はそうする」


 剣とユキは庇ってくれていた。


「それに、靴が判断材料としても万家が特注で作らせたならともかく、特注品じゃないでしょ。同じの買えばいくらでも偽造出来るじゃない」

「少なくともこの学校に通えているのなら万家が履いている靴を買うのは出来ますわね〜」


 周りが俺を犯人に断定しようとした雰囲気が変わっていく。

 助かる……。剣たちもありがとう……。


 その不審人物は中へ入って行った。

 そして、10分くらい経過したあと、ガラガラと教室から出てくる。

 こちらに顔を見せないまま、歩き去っていく。


「音子さんじゃねえってんなら誰だよ! ってか本当に音子さんじゃねえの!?」

「私は千智ちゃんと一緒に帰ってるよ……。この時間はすでに家についてると思う」

「私が証人……と言いたいけど身内だから信用できないよね」


 クラスメイトは頭を抱えていた。

 この惨状、今日の営業は出来そうになかった。食材を保管してある冷蔵庫も開けっぱなしにされて食材がほとんどダメになっていた。

 俺らがまずやらなくちゃいけないことはこの教室の回復と先生に今日は開けないこと、引き裂かれた衣装の注文(明日まで)とかをやらなくちゃならない。


 犯人探しはまずは後回しになった。


「衣装は俺が負担する。俺が金を積んで早く作らせる。それしかないだろう」

「いや、幸村は指示役として残ってて。私が負担するから」

「いいのか?」

「いいよ。まとめ上げるのは幸村の役目でしょ」


 千智ちゃんは早速、仕立て屋に向かったのだった。

 ユキは急いで指示を出していく。先生にも報告し、仕方ないと言って今日は営業しないことを全校に通達し、回復を急ぐ。


「音子ぉ、犯人に心当たりないか?」

「あったら言ってる……。私に恨みありそうなやつなんてごまんといるし」

「え、そんな酷いことしたん?」

「銀太郎……。少しは頭を使え」


 城前はため息を吐いた。


「あの財前の婚約者となったんだ。同じ女のやっかみとかあるだろ。それに、わざわざ音子さんが犯人に見せかけるような映像を残してるんだ。大体決まりだろ」

「それもそっか……。女って怖え……」


 恨みの根源は城前が言った通りユキと婚約を結んだこと。

 だから誰が犯人かとかは予想できないんだよな……。

 俺を陥れようとしているのが見え見え。だがユキ自身、怪しいと思ったらすぐに何かに気づく。こういったものはユキのは通じない。人嫌いが故に人をあまり信用してないからな……。









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