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学食

 昼食の時間がやってきた。

 弁当も何もないということはおそらく学食があるんだろうが……この学校、机すらものすごくお高そうなアンティークなものだったのを踏まえるとものっそい高そうだ。


 俺は構えながら千智ちゃんと学食に向かう。


「マジかよ……この広さで学食……?」

「驚くよね〜」

「しかもなんだ今日のメニューって。食券買って食べたいもん選ぶんじゃねえの?」

「こんな人数だから食券式にしたらそれこそパンクするから決まったメニューのほうがいいんだって」

「しかもなんか横文字のメニュー……。みるからに高そう……」


 学食は嫌いじゃない。

 大学の学食では教授と一緒に食べて分からないところを聞いてたりもした。情報交換の場所でもある。

 いつも俺は高菜チャーハンを選んで食べてたんだけど……。


「俺だけ高菜チャーハンってのはダメでしょうか……」

「ダメだねぇ。すでに用意されてるから受け取って一緒に食べようか」


 というので俺はお盆を手に取り今日のメニューを手に取っていく。

 鮑のバターソテーなんて学食で出るもんじゃねえだろ!


「どお? 美味しいでしょ?」

「はい……」

「音子ってお高いものとかあまり受け入れないの?」

「元貧乏大学生だぞこちとら……。いきなり豪華に変わったら怖いしビビる」

「そっか……」


 日々の生活でいっぱいいっぱいだったからこんな鮑なんて食べる余裕もなかったです。

 というか鮑初めて食べました。コリコリしててとても美味しいです。


「食事でナイフとフォークなんて使ったことない……」

「え、本当に?」

「むしろご飯は茶碗に持っていつも食べるし……」

「ハンバーグとかファミリーレストランでも出るじゃん」

「ファミレス……行ったことないな。高いし」


 むしろ実家も裕福であるとはいえず、むしろ貧乏だったので外食なんてあまりしたことがない。

 高校時代からずっとバイトしてたくらいだ。


「……なんかごめん」

「謝るなよ……。で、どう使うのこれ」

「これはね」


 千智ちゃんが懇切丁寧に教えてくれる。


「マナーとかはそのうちだね。今はとりあえずその身体に慣れるところから」

「……」

「今日こそはお風呂入ろうね」

「…………無理です」


 お風呂入ろうねと言われても俺は男の子ですから女の子の身体を見るなんて無理です。

 女っ気ない生活を送ってきたので女性の身体に対する免疫はありません。


「私も一緒に入ってあげるから」

「いや、俺は男だから……」

「今は女の子でしょ? 私もちょっと恥ずかしいけど髪の毛の手入れの仕方とかわかってないからね。きちんと手入れしてほしいの。私の身体使ってる以上」

「はい……」


 この身体の本体の命令には逆らえません。









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