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俺は女子高生になるらしい

 俺は自分が泊まる部屋に案内された。

 部屋はとても広く、綺麗。俺の元の部屋とは大違いだ。俺の部屋はあまり綺麗とは言えなかったがどことなく暮らしやすさはあった。


 こんな綺麗な部屋を俺の部屋のようにはできん……。


「とりあえず寝よう。これは夢だ」


 俺はふかふかのお布団に身を包み目を閉じる。

 がしかし眠れん。起きたばかりだから……。


 俺はため息を吐くと、なんか嫌な身震いが。

 これは尿意……? 嘘、マジ? 猛烈にトイレがしたい。


 俺は急いで下に向かうが……。


「トイレどこだよ!」


 馬鹿でかい屋敷でトイレがわからない。

 俺はとりあえずリビングの方に向かう。リビングでは何やら家族会議が行われてるようで、千智ちゃんの大丈夫とか言う声が聞こえる。

 は、入りにくい……!


 俺は諦めてトイレを探すことにした。

 むやみやたらに探すのも変なところに入ったら消されそうだ。

 俺は股間部を押さえる。


 あ、やばい。そうこうしてるうちに漏れそう。


 俺はその場に座り込んだ。

 と、トイレは何処……。このままだと人の家でお漏らしした元男子大学生の変態となってしまう!それだけは避けねば……!


「……なにしてるの?」

「トイレ……どこですか……」

「あ、トイレの場所とか教えてなかったね。こっちこっち」


 俺はトイレに案内されて無事用を足すことができた。

 が、なんか異様な喪失感を味わったのだった。


「……罪悪感がすごい」

「言わないでよ……。同じ身体なんだから私と同じに決まってるし……」

「これからトイレはしません……」

「それはダメ。死んじゃうよ」

「トイレするごとに罪悪感を感じ続けねばならんのか……」

「……音子ちゃんってそういうこと気にしてる人でよかったよぉ。とりあえずいい人そうだね」

「いい人とはよく言われる。女にとって俺は都合のいい人だから……」

「損な性格してそうだからね……」


 女の子からいつもいい人と言われてる。それはいわゆる脈なしでどうでもいい人、都合のいい人の略称だから。

 俺は変なところで真面目だからそう言うこと言われやすい。


「迷惑かけないように家決まったら一人暮らしするからそれまで許してください」

「え、高校生で一人暮らしするの? 危ないよ」

「でも……」

「あー、私は気にしないから好きに暮らしてよ。そういう心配は見ててなさそうだしね」

「ごめんなさい」


 一刻も早く独り立ちせねば。

 

「で、俺は高校生ってわけだけど高校生じゃなくない? 高校入ってないし」

「だから私の学校に私の双子の妹として編入させるんだって」

「……また高校生活を送れと? やっとの思いで卒業したのに」

「あはは……。ごめんね。でも流石に本人も中卒は避けたいだろうからということだって」


 まぁ確かに避けたい、

 高校は義務教育じゃないとはいえ中卒だと雇ってくれるところが少ないし。

 また高校生活送るのか。千智ちゃんが通ってるとことなると……結構良いところだよな。

 俺も進学校だったとはいえついていけるかな。


「音子ちゃん、良い大学に入ってたし私のとこも充分いけると思うよ」

「勉学だけが取り柄だからね……。音楽も好きだからバンドやってたけど」

「そうなんだ。今度歌聞かせてよ」

「いや、いい。この姿で上手く歌えるかわからん」


 下手な歌を聞かせたくない……。









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