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万 音子、女の子改造計画 ①

 俺はホテルで俵さんと千智ちゃんに今日怒ったことを素直に話した。

 

「あの幸村が嘘つくためとはいえ本当にキス? まじかー」

「それってそういう……。なんともいいですわね!」


 二人は恋バナに食いつく女子みたいな顔をしていた。

 千智ちゃんは意外そうにしていたが……。


「幸村って嘘でもキスは好きな人にしかしないでしょ?」

「そ、そうなん? いや、俺はもともと男だし、男同士もふざけてとかキスすることあるし……」


 芸人とかで喧嘩芸をしたあとにキスとかよくあるアレ。

 たしかに男同士でも嫌なもんは嫌だけど純粋な女の子にするよりは気に病まないだろうという考えだったんだけど違うんだろうか……。


「幸村もガワは少しは気にするはずだよ。好きじゃなきゃ見た目で躊躇する」

「ふふっ。財前様も人間ですもの。見た目でも多少判断はするはずですわ」

「……側が女の子だから多少女の子に見てるとかそんな感じなの?」

「もうがっつり女の子として見てるんじゃないかな。で、あとであいつは男だーって思うけど側が女の子だから気にしない、けど中身まで考えてしまって失礼じゃないかとか考えるのがオチ」

「そこまで細かく分析!?」


 でも実際そうなんだろうか……。

 他人の心の中は読めないから何考えてるのかまるっきりわからないけど。


「っていうか、もう付き合っちゃえばいいんじゃないですの?」

「そうだね。あの人を選り好みする幸村は将来望まない結婚をして奥さんを絶対大事にしなさそうだから今のうちに自分が信頼を置く音子を彼女にするのはアリかな?」

「付き合うって……。俺男……」

「今女の子でしょ? それにー、キスされて満更じゃないんでしょお? つまりキスを嫌がらないほどには好意があるってコト! 家柄的にもあっちの両親には納得させられるだろうし障害は何もないよ!」

「……」


 満更じゃないって言ってないのにバレてる。女の子の洞察力こえー……。


「問題は音子が結婚までいったらあのめんどくさい幸村が義弟になることなんだけど」

「今は万家ですものね。そうなりますわね」

「……俺はまだ付き合わないよ。友達、だし」

「友達の関係性を崩したくないっていう感じかー。ヘタレ」

「うぐっ……」

「音助様は慎重なだけなのですわ! ね!?」

「慎重以前に俺はまだ男としての自覚があるから付き合ったらさすがに……」

「そっかー……」


 千智ちゃんは納得してくれたのか、仕方ないかという感じで苦笑いしていた。だがしかし、その眼光がすぐに変わっていく。

 

「じゃあ、この修学旅行で女の子にするしかないね!」

「えっ?」

「音子、女の子改造計画の始まりだっ!」

「えっ、ちょっ!?」

「俵さん! まずは一緒に風呂入らせよう!」

「了解ですわっ! 軍曹殿っ!」


 何が軍曹だこの野郎!

 俺は二人に腕を羽交い締めにされ、そのまま浴槽へ連行されていく。千智ちゃんとは風呂入ったことはあるし慣れたけどそれは俺の中身を知ってて一応同居人だったからで!

 俵さんにまで俺の裸を見られるってこと!? ちょ、やめ……。


「まずは強引に音子の男としての尊厳をぶち殺す!」

「ぶち殺すって何!?」

「まずは女の子の快感を、ね?」

「えっ、あっ、ちょ……」


 誰かーーーーーーーーーーっ!













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