全治半年
ー次の日ー
今日は早めに着いたから華凛を待っていたら突然翔が声をかけてきた。
「俺華凛ちゃんの秘密知ってるんだ〜」
「は?」
翔はニヤニヤしながらどこかに行った。
僕は翔に声をかけようとしたが、葵が話しかけてきて
「卓球部、入るの?」
と聞かれた。
僕は華凛と話し合って入らないと決めたので、
「卓球部は入らないかなー」
と言った。
その後、翔に秘密のことを聞きたかったが葵が異様に話しかけてきたのでそれどころではなく、聞くタイミングを失った。
もやもやしたままだが、今日も華凛と遊ぶことになった。
華凛の家に行くと華凛が
「好きです。付き合ってください」といった。
その後の記憶はなく、気がつくと病院にいた。
「やっと起きた。恋大丈夫?」
華凛の顔は赤かった。
「恋、急に倒れてどうしたの?」
「う、ぅぅぅぅぅ」
『ヒーリング』
僕は頭痛がしていたが、その声が聞こえたあと頭痛がなくなった。
「あれ?なにかした?」
「いや、何も」
華凛はなにか隠しているようだった。
探りを入れてみよう。
「落羽さん検診の時間です。」
看護師は驚いた表情で言った。
「何もかも治っています!」
その後退院できた。
次の日、いつも通り学校に行こうとしたが、体が思うように動かず学校を休んだ。
その夜、華凛がLINEをしてくれた。
【体調大丈夫?今日は修学旅行の班を決めたよ。隣の席だから私がくじを引いたら、私と同じ班になったよ。】華凛
【だいぶ良くなったよありがとう。一緒の班になれたんだ。やった~!】恋
特に話は続かず、スマホを閉じた。
ー次の日ー
体が昨日よりすごく軽い。治ったみたい。
僕は忍び足で学校へ行き、先生にばれずに教室に入った。そうしたら、
「恋!治ったの!?」
華凛!声が大きい!
「そ、そうだけど...僕、遅刻してるから!!」
あぁ先生にバレたよ。
「おい!恋、遅刻しているのに謝罪の一言もないのかっ!...って恋!?無事なのか!?」
ここは無駄に言い訳はやめて、全力スライディング土下座だ!
「はい、問題ないです。すみませんでした!!」
「謝罪なんかどうでもいい!お前...全治半年だったんだぞ!それが、2日でっ?!」
「えっ?!そうだったんですか!?」
なにがなんだか全くわからない。
「ま、早く治るのは良いことだ。健康第一だ!」
「あ、ありがとうございます?」
半年って?2日で治ったのに?
「ああ、席につけ!!」
「良かったね!」
「うん!」
この会話を聞いていたクラスのみんなはハニワのようなポカーンとした顔をしていた。