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僕の初恋相手は魔女だった。  作者: おっちー
8/30

後悔

 夜遅くに、幼稚園からの幼馴染の雨宮翔からLINEが来た。

翔はクラスも同じだ。

【恋ってさ、よく華凛ちゃんと喋ってるように見えるけど、もしかして? w】翔

【全然、そうゆうのじゃないから】恋

【ふーん】翔

【でも、華凜ちゃんかわいいよね〜。俺のものにしちゃおうかな〜w】翔

【そうゆうのやめろよ】恋

【マジになってんの? w嘘だよw華凜ちゃんは恋のものだからね〜】翔

【もういいから!】恋

LINEを閉じようとしたら華凜からLINEが来た。

【私、やっぱり恋と遊んでるほうが楽しいから部活入らないでおこう?】華凛

嬉しすぎて、ニヤけながら勇気を出して文章を考えて

【僕も華凜といるほうが楽しいから部活は入らない!】恋

と送った。

【じゃあ決まりね!】華凛

僕は嬉しすぎて、眠れなかったから外に出ることにした。

「恋どこ行くの?」

「あ!ごめんお母さん起こしちゃった?」

最近お母さんは夜勤だったからあまり話せていなかった。

「今日も遅かったんでしょ?おやすみ」

「恋?少しお話をしましょ」

「え?あぁ、、、そうだね」

「お父さんのこと。もう気にしてない?」

「・・・」

僕は小さいころ父親をなくした。いや僕のせいで死んだ。

ー数年前ー

「どうした恋?浮かない顔してんなぁ!話してみろ!」

「・・・」

「好きな子か?振られたのか?」

僕は無言で首を横に振る。

「恋愛っていうのはなぁ!学校で習うのに教科書がねぇんだ!真っ暗な中で右も左もわからず手探りでつかみ取る。難しいよなぁ!」

「・・・」

「お父さんもな!中二のときにすっげー好きな子がいたんだ。周りの男子も協力してお父さんは付き合うことを目標にして頑張った!でもなぁそこで分かった。友達っていうのは肩書きにすぎねえってな!みんなに裏切られたよ!恋愛、友情は信じちゃいけねえんだって思った。」

お父さんは僕の前で初めて泣いた。

「俺はなぁ恋なんてしない。自分以外信じないって誓ったよ。」

「だから僕振られてなんか」

すると食い気味に

「そん時に一人の女の子が相談に乗ってくれた。その子は優しかった。俺はいつの間にか心を奪われてた。そいつがお前の母親だよ」

「だから恋愛じゃないって!息子の誕生日におめでとうの一言もないのかよ!最低な父親だな!」

僕はカッとなって自我を忘れていたんだと思う。家を飛び出して道路の真ん中で泣き崩れた。

「恋!危ない!」

お父さんの声と同時にトラックのエンジン音が聞こえる。

まずい!こっちに向かってくる!逃げなきゃ!くそ!足が動かない!動け動け動け!

なんでスピード落とさないんだよ。まさか居眠り運転か?死ぬときゆっくりになるって本当だったんだ。

その瞬間なにかに押され道路の端まで突き飛ばされた。

「痛い・・・お父さん!」

ドン!

は?何が起こった?お父さん?

「お父さん!」

僕は急いでお父さんのもとへ走った。

「恋、、ごめんなぁ、、ぶきようで、、」

「お父さん!大丈夫だよ待ってて!だれか!救急車!」

「恋、、誕生日、、おめ、、でとう」

「大丈夫だから!目見て!」

「つか、、れた」

「ゆっくり呼吸して!大丈夫、、だから・・・」

「泣くな、、こう見えても、、昔の、、あだ名は、、不死鳥、、フェニックス、、だったんだよ」

「大丈夫だよ・・・僕がいる・・・」

「お父さん少し寝るよ、、」

「うん!大丈夫だよ・・・ぼくが・・・いるから・・・」

「おやすみ、、」

僕はずっとお父さんの顔を見ていたと思う。そのあとお母さんが来て救急車を呼んでいたが、あまり覚えていない。

後から聞いた話によると、お父さんは夜にサプライズを用意していたんだそうだ。手紙があったが読むことはできなかった。だけど今もずっと常備するようにしている。お父さんが見守ってくれている気がしてなんか安心するから。

「多分お父さんは気にしてないと思うよ。」

「いいよお母さん僕が悪いんだ。後悔しかしてないよ」

「お母さんは後悔って言葉嫌いじゃないよ。だって自分が悪かったって分かってるんでしょ?自分は全力を出すことができなかった。判断を間違えてしまった。って気づけてるんだから。一番駄目なのはそのことをずっと引きずって生きていくことなんじゃないのかな?自分が変わらなきゃ同じ失敗を繰り返すだけ。失敗から学んで人は強くなっていくんじゃないのかな?」

「お母さんありがとう・・・」

気づいたら僕は泣いていた。

「僕もう寝るよ」

「うん。お休み」

そうだな。過去にとらわれて生きていくのは一番駄目なことだ。

よし!寝るか!

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