双子
「双子だ!双子だぞ!」
小さな村にそんな声が響き渡る。
ここはある森の精霊の村。精霊はすごく長生きでめったに死ぬことはない。唯一死ぬとしたら、大勢の人間に見られたときか、まぁくそ長い寿命かな。
ってな感じだから、精霊の子供はめったに生まれない。そのせいで発展も遅くなっているんだろうな。ん?どうやって子供が生まれるのかって?100年に1度森の木が姿を変え、子供へとなっていくのだ。子供は村全体で育てる。そして生涯森から出ていくことはない。ただし例外がある。召喚だ。人間が精霊を召喚し、身体に精霊を宿すことで、さらなる力を手に入れることができるという。それはめったに起きないことなんだけどね。
「双子だと・・・!?」
おっと、ほかの精霊が騒ぎ始めたようだ。では僕はここらでおさらばするよ。あ!ちなみに言っておくと、この2人によって、歴史は大きく変わる。じゃあね!
「神だ・・・!」
「神様!」
「この子たちは神なんだ!」
二人はその後神だ!神だ!といわれ続け育っていった。二人にはいつも護衛がついていた。トイレに行くにも、遊びに行くにも、三人の護衛と一緒だった。最初は嫌気なんて微塵もなかった。だが、二人にはプライベートというものが全くなかった。唯一楽しい時間は二人で話す時間。ケバはなぜか、世界のことをたくさん知っていた。
「この世界ってさ、すごく広くて、まだまだ俺の知らないこともいっぱいあるんだよ!」
「僕は世界を征服するのが夢なんだ!」
「無理だろ」
「ねえねえ!昨日言ってた話ししてよ!」
「あ~。魔法?」
「そう!まほう!」
「昔々、人間と魔族の戦争があった。これは後に人魔戦争と呼ばれることとなる。魔族は魔法、人は知恵と数で戦った。戦争が始まり、50年。魔族が優勢だと思われていた。だが、その翌年、戦争が終わる。なんと人間が魔法を使ってきたのだ。約一年で魔族を大半殺してしまった。だが、人間は馬鹿だ。降伏すれば許してやると言い出した。人間よりも馬鹿な存在。それは魔族だ。残った魔族はなんと人間に土下座をしたのだ。今では人間の街にも魔族はうようよいる。そして魔法も身近になってしまったのだ。」
「ってことはさ!魔法を使えば、世界征服も夢じゃないってこと?」
「魔法はむずかしいからそんな簡単にいくもんじゃない。」
「でも魔族は魔法の才能を生まれつき持ってるって言ってなかった?」
「だけど俺らには自由時間がないんだよ!」
「この時間に特訓しようよ!」
「そんな簡単なことじゃないだろ・・・」
「見て!僕火出せた!」
ブルの手には小さな火の塊、、、ではなく、バスケットボール3個分くらいの大きさのある火が浮いていた。俺は思った。俺等才能あるんじゃね?
次の日から早速特訓をした。予定では1年くらいする予定だった。だが、わずか1週間で全魔術を才神級まで扱えるようになった。
次の日二人は精霊たちの歴史に名を残すこととなる。
ー朝6時ー
「行こう」
「うん!」
二人の予想通り、外に出ると護衛が三人いた。二人はトイレに行くといい、護衛を引き付ける。
「もう、大丈夫ですよ。」
「いえ。いつ襲撃されるかわかりません。」
「トイレくらい一人でさせてくださいよ。」
「後ろを向いているので、早く済ませてください。」
「そうですか。ではさようなら」
ブルはトイレで一人の護衛を殺した。
その直後残りの護衛も始末することに成功した。
精霊は上級以上じゃないと攻撃ができない。だから一回の攻撃で相当魔力を消費してしまう。
もうブルの魔力は底を尽きるかもしれない。と、その時、ケバの最大魔法が完成した。この魔法は空に多数の球を作り、それに魂を宿す。球はそれぞれ生き物に向かう。それはどんな生き物でさえ、防ぐことができない。発動者さえも。
「ブル!早く!」
「分かった!」
ブルは最後の力を振り絞り、転移魔法を使う。次の瞬間二人がいたところに球体の殺人鬼が降り注いだ。
「はぁはぁ。僕もう限界だよ」
「俺もだ」
二人の意識は暗闇へと落ちていく。これは後から聞いた話だけど、ケバの魔法はあと少しのところで未完成だった。故に生き残りが数人いた。その精霊たちは悲しんでいる暇なんてないと、村の復興に今も励んでいる。二人のせいで双子は見つけた瞬間に首を切り、崖に落とすという決まりができてしまった。まぁ残酷な話だよね。甘やかしすぎてもいやな人は嫌なんだ。




